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245 管鮑之交

高校生までは自宅近くの「床屋のおばちゃん」に髪を切ってもらっていました。
しかし、大学に入って急に色気づき、「美容院」に行こうと決意しました。

東京生まれの東京育ちでありながら、入学したのは横浜市内の大学。
アタマの中は「横浜の美容院」でオシャレにカットされる姿で充ち満ちていました。

とはいえ、横浜に通うようになって日が浅く、どこを探せば良いのかも分からないまま、たどり着いたのは、横浜スカイビル。
当時、東口では唯一、人が集まっていた場所といっても過言ではないと思います。

美容院の1軒くらいあるんじゃないか・・と思いながら徘徊していると、ありました、憧れの「美容院」。
入口から中を覗くと、ロングヘアをなびかせたステキな女性スタッフさんが目に入り、入店を躊躇していると・・、

「いらっしゃいませ〜! 中へどうぞ〜!!」

全身から気後れ感を放出させている大学1年生の私を、そのスタッフさんは、それはそれは優しく迎えてくれました。

どんな話をしたか、いくら支払ったのか等々、大半の記憶は逸していますが、最後に鏡に映った自分の姿は、今も鮮明に覚えています。
もみあげがパッツンとカットされ、両サイドがキレイに刈り上げられていました。

ただでさえロングヘアのお姉さんを前に平常心を失いつつあるなか、「流しますね〜」と床屋のおばちゃんとは逆の方向に椅子を倒されたことで完全に取り乱し、その後は何を聞かれても「お任せします」と返答したので、どんな結果になろうとも受け入れねばなりません。

両耳付近の形貌は、読売新聞で連載されている4コマ漫画『コボちゃん』を思い浮かべていただければ良いかと思います。
1980年頃の横浜でコボちゃんヘアが流行していたか否かは不明ですが、耳の辺りが涼しいな〜と感じるときがしばらく続きました。

それ以来、美容師さんに髪型を一任するのはやめた、という展開が自然かと思いますが、その後、現在に至るまで、美容院でこうしてああしてと要望したことがただの一度もありません。

注文を出すことは男らしくないというか、煮え切らないというか、女々しいというか、そんな気がするのです。
明らかにおかしな思考回路なのですが、何故そう感じるのか、理由は分かりません。

髪のセットが終わって、鏡に写った姿を最後に見て、あちゃーと思ったことは1度や2度ではありません。
それでも、要望は出しません。

最近は、ツーブロックに仕上げていただいていますが、それとてワタシのリクエストではありません。
ともあれ、信頼している美容師さんに毎回お任せです。
さすがに丸刈りにする、と言われたら抵抗すると思いますが・・。

考えてみると、私にとって美容院は、大切な場所であるように思います。
これまで2人の美容師さんにお世話になってきましたが、どちらも尊敬できる方です。

1人目は、私より10年くらい先輩の「ちょい悪オヤジ」で、大学を卒業してから40歳くらいまでお世話になりました。
東京芸術大学在学中、学生運動に励んだ挙げ句に退学処分を頂戴し、その後は、資生堂美容学校(現在の資生堂美容技術専門学校)に進み、その世界ではちょっとした有名人でした。
バイクが大好きで、私とは違う方向性を持った方でしたので、いつも刺激を受けていました。

結婚式の朝も、お世話になりました。
生まれて初めて眉毛を整えていただいたのは衝撃的でしたし、うっすらとファンデーションを塗って、晴れの日にふさわしく仕上げてくださいました。

また、20代のころ、仮装大会のために女装したいとの無茶なお願いにも、快く応えてくれました。
メイクのグレードがあまりに高いので、参加した女子からは、何をどこにどのように塗っているのか質問攻めに遭いました。
集合場所だった東京プリンスホテル近くの歩道橋で外国人に追いかけられ、ガニ股で走って逃げたのもいい思い出です。

そして、現在お世話になっているのは、私より1つ年上の美容師さんです。
若くしてご結婚されたので、中学生のお孫さんがいますが、これぞ美魔女という女性です。

年齢も近いので、いつもいろいろな話をします。
先日は、セガレのことで相談を持ちかけると、とてもいい言葉をいただきました。

山田さん、子供は授かりものじゃないの、預かりものなの。
授かりものだと思うから、いろいろ注文を付けたくなるの。
今は預かっているだけ。
子供は、いつか、神様に、社会に、返すものなんだからね。

若くして結婚・出産し、30代で離婚。
子育てに悩みながら、離婚後まもなく美容院を起業され、苦労を重ねた同世代からの言葉は、心に染みました。

そして、鏡に映るツーブロックの姿を眺めて、今日は前髪がいい長さだな、と感じながら店を後にしました。

244 白髪童顔

昨日、年に2回発行している会報誌に関する委員会がありました。
訪問看護師さんを応援する内容ですので、委員会のメンバーは私以外全員看護師さんです。

委員会では、総会報告や委員会報告など次号のページ割りを決めていきますが、毎回1ページ割いている、看護と関係しない箸休め的なページのテーマについても議論されました。
これまで、「お薦めのショップ」「ペット自慢」「初めて◇◇しました」などを企画してきましたが、1人の委員さんから「推し」をテーマにしてはどうか、という提案がありました。
提案してくださった訪問看護ステーションの所長さんは、新人スタッフが入職する際、「自分の推し」について聞くそうです。
スポーツであったり、芸能人であったり、中にはお気に入りのタオルについて蕩々と語った新人さんもいたようで、コミュニケーションツールとして、とても役だっているとのことでした。

全員一致、今回のテーマは「推し」に決まりました。

その時、「今、ワタシの推しはなんだろうか?」と、ふと思いました。

辿り着いた答えは「美容」でした。
還暦過ぎの初老オヤジが薄気味悪い・・と言われればごもっともですが、最近「少しでも美しい老人になるためにはどうしたらいいか」が、私の人生で大切な要素の仲間入りを果たしました。

若い頃から何のケアもせずに野球やゴルフを楽しんできたツケが、近年、大波のように押し寄せてきました。
そこで、オミクロン株全盛の頃、初めて地元の皮膚科でシミ取りを経験しました。

あれから3年。
まだ、シミ取りを続けています。

私の通う皮膚科は、シミを1つ除去するといくら、という施術ではなく、GentleMax Proという機械を用いて、顔全体にレーザーを照射します。
テレビCMでもよく目にする湘南美容クリニックさんのホームページにも「ジェントルマックス プロ ついに湘南美容にも導入しました!」と謳われているので、まあまあイマドキのマシンなのではないでしょうか(素人にはよくわかりませんが)。

シミ取り以外では、日焼け止めクリームをせっせと塗っています。
ゴルフに行くと、朝自宅を出る前、前半のスタート前、後半のスタート前に加えて、ラウンド中も2〜3度塗り足します。
「また塗ってるよ」と、ゴルフ仲間からは冷やかされています。

風呂上がりの行動も変わりました。
まず、カミさんが買ってくれたパックをします。
その後、保湿クリームを塗ります。
最後に、皮膚科で購入しているハイドロキノンを顔全体に薄く塗ります。

ここまで読むと、莫大な熱量を感じるかも知れませんが、生来怠け者ですし、どこか抜けているので、きっちり遂行している訳ではありません。

ゴルフの日焼け対策でも、顔には塗ったが首に塗るのを忘れた、短パンを履いていたのに足には塗らなかった、肘から下は焼けていないが上腕部は真っ赤になった、なんてことは日常茶飯事です。
先日は、日焼け止めクリームを何度も何度も顔に塗りながら、もみあげの周辺だけ、何故か塗られていなかったなんてこともありました。

風呂上がりも、今日は寒いからな・・と最初は冷やっとするパックをやめたり、要冷蔵のハイドロキノンを洗面台のシェーバーの横に置きっぱなしにしてダメにしてしまったり、なまくらなものです。

話は変わりますが、先日、小学校の同級生と京都を旅してきました。
おとなの修学旅行と題したこの京都旅行も、今回で7回目になりました。

幹事を務める私に対し、友人たちは毎回お礼の品を贈ってくれます。
御朱印集めにはまり始めたころはコーチの小銭入れ、ひとり旅を楽しんでいると話したときは旅行用のポーチ、以前はゴルフ用のクラシカルな帽子をいただいたこともあります。
私が喜びそうなものをその都度選んでくれる同級生には感謝感謝です。

そして、今回の旅。
男子4名と女子3名が、時間差で合流したこともあり、男女別々にお礼の品をいただきました。
双方で相談はしていないとのことですが、男子からは「デコルテ」、女子からは「雪肌精」と、いずれも美容関連商品が揃う形となりました。

「隊長(私のこと)が今一番喜ぶのはこれだよね」という仲間の言葉は、友の有難さを改めて感じる機会になりました。
そして「美しい老人」を目指すモチベーションがさらにUPしました。

ブログのカテゴリーに「美容」という新たな項目を作成し、今日の投稿を締めたいと思います。