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182 道険笑歩

2020年のプロ野球は、新型コロナウィルスの影響で、変則的な開催を強いられました。
そんな中、私が応援する読売ジャイアンツは、リーグ連覇を果たしました。

8月下旬、広島戦で今季初の同一カード3連敗を喫しましたが、原辰徳監督はミーティングである言葉をナインに贈ったそうです。

道険笑歩。

道険しくとも笑って歩こう、という意味。

実はこの言葉、ボクシング元スーパー・フライ級チャンピオンの徳山昌守選手が作った言葉です。
以下は、紀伊國屋書店のサイトに掲載されている、徳山氏の著書「道険笑歩ー道険しくとも笑って歩こう」の著書紹介です。
出典:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784072344200

道険笑歩ー道険しくとも笑って歩こう

・徳山昌守【著】
・主婦の友社(2002/09発売)

著者等紹介
徳山昌守[とくやままさもり]
本名・洪昌守。1974年9月17日生まれ。在日朝鮮人3世のプロボクサー。現WBC世界スーパー・フライ級チャンピオン。4度の防衛に成功。足を使ったフットワークと左右のストレートが持ち味の右ボクサーファイター。在日朝鮮人を公言したはじめてのボクサーとして注目を集める。「2001年ボクシング年間表彰選手」の最優秀選手賞、「2001毎日スポーツ人賞」感動賞など受賞

出版社内容情報
自作の詩を盛り込んだ、書き下ろし自叙伝。世界チャンピオンいう重圧、在日朝鮮人として生きることを一身に受け入れた壮絶なドラマである。

「在日やからエライんか? チャンピオンやからスゴイんか?」―。自ら在日朝鮮人であることを公言したボクサーが背負った、あまりにも大きい重圧と反発。本書は徳山昌守の生きざまをたどる、壮絶なドラマである。数々の苦難を乗り越えて、ついにボクシングの世界で頂点に立った男。しかし、王者である限り、彼に安住の地はない。常に、終わりなきトーナメントを続けてゆくのだ。家族の支えと偉大な父への反骨精神、在日であることへの誇りと戸惑い。そんな心の葛藤を鮮やかに描き出した自作の詩50篇を掲載。タイトルにもなっている「道険笑歩」は彼の作った四字熟語。どんなに道が険しくても笑って歩こう―。チャンピオンとして、また「在日の星」として生きていくことを貫こうとする徳山昌守流哲学を象徴する言葉だ。夢を追いかける人、夢を失ってしまった人すべてに送る、渾身のメッセージ。

諦めない姿勢。
最善の準備。
そんなプロとしての厳しさ、過密日程を乗り切るタフさが要求される中でも、笑える余裕をどこかに併せ持とうと、監督は選手に伝えたかったのでしょう。
その言葉の通り、ナインは日々、円陣で笑い合い、喜びを分かち合い、優勝を勝ち取りました。

今年は、小さなウイルスに翻弄された激動の1年でした。
弊社も、オペレーターはテレワークにし、他の社員は時短勤務としました。
売上が落ちるなかで、雇用と給与を維持することに腐心しました。

東日本大震災以上の惨禍は、自分が生きているうちには起こらないと思っていました。
しかし、新元号「令和」の門出を祝ったその翌年、歴史的困難に陥るとは想像の余地もありませんでした。

そんな険しい年であるからこそ、笑うことが重要なのかも知れません。
免疫力を上げ、記憶力や判断力が活性化し、プラス思考を高めてくれるなど、笑いの効果は、様々指摘されています。

ある免疫学の医師は、ストレスを克服する最も簡単な方法は「笑うことだ」と述べています。
また、あるメンタルヘルスの専門家は、「ユーモアを大切にする」「意識的に笑う」といったポジティブな態度がコロナ禍でのメンタル維持に有効だと言い、ある産業医は、声を出して笑うことで、自分の中に溜っているものが解放され、少し楽になる感覚があると述べています。

笑う門には福来たる。

相手に笑顔をもたらすユーモアのある言葉は、業務が円滑に遂行するためのスパイスだと思います。
明日の仕事納めを前に、2021年はこんなキーワードも念頭に置いてみようか、などと考えています。