「ヒマがあったら読むかい。」
父が日本経済新聞の切り抜きをくれました。
『1位北大、2位横国大」という大きな見出しが目に入りました。
うちの大学が記事になるのは珍しいなあと思いながら受け取ると、企業の人事担当者から見た、大学のイメージ調査に関する記事でした。
調査は各大学の学生イメージについて「行動力」「対人力」「知力・学力」「独創性」の4つの側面で評価したもの。
北大は、2026年の創基150周年に向け、国際社会で活躍できる人材育成に努めているそうで、その結果が数字として現れたと言えましょう。
総合2位に輝いた私の母校・横浜国立大学は、行動力と対人力で2位だったほか、4部門全てで高評価を得たそうです。
3位以下も名古屋大学、京都大学、東北大学が名を連ね、上位10校は全て国立大学。
因みに、早稲田は12位、慶應は15位だったそうです。
ランキングの対象となった大学は、有効回答数805社からの回答数が一定水準以上に達した156校。
156校中の2位ですから、誇らしいですね。
この記事が新聞に掲載されたのが6月3日木曜日。
そして、偶然にも同じ日に、大学からメールが届きました。
その内容は、新型コロナの影響でアルバイト先を失ったり、また、親が経済的に困窮して学業継続の危機に晒されている学生への支援をお願いしたいというものでした。
大学は、遠隔講義受講の環境整備の支援や、PCの貸与などを柱とした「横浜国立大学緊急学修支援事業」第一弾を既に実施したようです。
しかし、長期化が予想される新型コロナ対応に備え、学生支援の枠をさらに広げるため、「緊急学生支援寄附金」への協力を卒業生に依頼したのでした。
具体的には、一人10万円の緊急生活支援奨学金を200人以上に支給するとのこと。
即ち、2,000万円以上が必要です。
6月5日までに、既に1,600万円近くの支援が集まっているようですが、私もわずかばかり協力いたしました。
近々振り込まれるであろう国からの特別定額給付金の一部を充当しようと思っています。
横浜国大のサイトを見ていたら、学生への食料支援も行っており、6月2日には「米2キロ、カップ麺1つと缶詰」が事前予約した100名に配布されたようです。
ただ、心なしか、物量的に手薄な感じがします。
食品業界で活躍するOBにも協力を仰ぎ、より分厚い支援ができないのかなと思います。
食料支援といえば、松山市が今月から経済的に困窮している市内の学生を支援するためのプロジェクトを始めたそうです。
「学飯」と銘打ったこの取り組みは、多くの学生アルバイトの受け皿となっている飲食店がコロナ禍で大きな打撃を受け、学生の困窮が自助努力で解消できなくなっている状況を打破するため、学生に食事券を配布する活動です。
市民や民間企業が一体となって無償食事券を配布する試みは全国でも珍しく、関係者の努力に頭が下がります。
公式サイトによると、協賛金はまだまだ目標額には達していないようですが、今後支援の輪が広がることを期待したいと思います。
大学生の差し迫った困窮ぶりは、学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」が行ったアンケート調査が如実に物語っています。
これは、全国の大学生や短大生、大学院生ら1,200人を対象に実施した調査で、「経済的理由で退学を考えている」と答えた学生が20.3%にも上ったそうです。
今年度、大学や専門学校などで学ぶ若者は、ミレニアムベイビー世代が中心のため、そもそも人数が多いそうですが、その中で5人に1人が退学を考えているとは、極めて深刻な事態です。
政府は、困窮する学生に対して、総額530億円規模の支援策を講じることを決めましたが、可能な限りの支援を時機を逸することなく、迅速に進めて欲しいと願います。
また、特別定額給付金の10万円を、優先的に配布することはできないものでしょうか。
学生の学びを支えることは、未来への大切な投資です。
コロナプアで世代ごと未来を奪われるようなことは、断じてあってはならぬと思います。