月別アーカイブ: 2016年2月

054 白首窮経

先週末、大丸に用事があり、東京駅八重洲パーキング西駐車場に車を停めました。
そして、地下街に上がってくるとすぐ、若い外国人の男性に突然声を掛けられました。
その男性は、地図を私に差し出し、八重洲中央口の先にあるインフォメーションセンターに行きたいと訴えました。

さほど急いでいなかったこともあり、道案内役をすることにしました。
というか、言葉では説明ができなかった、というのが正解です・・。

“OK!  I will take you to the Information Center.”

英語が流暢でないことを隠すため、不自然なほど明るく、そう言いました。
スリムで端正な顔立ちをしたインド系とおぼしき青年は、小さく微笑んでいました。

目的地を目指しながら思いました。この青年は旅行者なのかなあ、と。
スーツケースのような大きなバッグは持っていないけど・・。
これもひとつの出会いです。いろいろ聞いてみたいと思いました。

ひとり旅行で来たの?
日本に来たのは初めて?
好きな日本食はあるの? などなど。

しかし、実際に聞くことができたのは、
“Where are you from?”  だけ。
あとは、黙ってひたすら歩きました・・。

残念ですね、英語ができないと・・。
コミュニケーションをとることができたら、もっと楽しい時間だったのに、と思います。

でも、無事目的地に着くと、彼は笑って握手を求めてきました。

“Have a nice day. Enjoy Tokyo! ”
私はそう言って、握手をし、肩を叩いて別れました。

とてもシャイで寡黙な印象の男性でした。
見知らぬ街で迷い、ナーバスになっていたのかも知れませんね。

因みに「どこから来たの?」という私の質問への答えは、
“Sri Lanka”
でした。

しかも、1回では聞き取れず、“Excuse me?” なんて聞き返してしまいました。
まずは、NHKラジオの基礎英語でも聞きましょうかね・・。

追伸:
白首窮経は「はくしゅきゅうけい」と読みます。
白首は白髪頭、転じて老人。窮経は儒教の経書を究めること。
即ち、年を取るまで、学問に励むことの意です。
肝に銘じたいと思います。

053 万死一生

我が家のセガレは小学校6年生です。
つい先日、中学受験を終え、運良く第1志望の学校から合格をいただきました。

そして、今日、2月11日は、「統一招集日」でした。

これは、一部の私立男子校が同じ日、同じ時間に実施している「合格者招集日」のことで、例年2月11日の13時なのだそうです。

因みに、この招集に応じないと、入学拒否と見なされます。

なぜ、同じ日時に保護者同伴で招集するかというと、学校側が入学予定者数を把握し、定員充足に向けて必要な 「繰上げ合格者」を出すことができるからと言われています。
即ち、この日は、繰り上げ合格連絡の日、でもあるのです。

昭和55年3月、私は、第1志望だった大学の合格発表から漏れました。
遺憾ながら、第6志望の大学への入学を決めました。
入学金に加え、授業料も振り込みました。

その後、高校の同級生とスキーに行きました。
誰がどこに受かったとか、様々な情報が入ってきました。
なんだか、凹みました。
苗場のシングルリフトで寒風にさらされ、いじけたのを覚えています。

スキー旅行から帰宅したその夜、自宅の黒電話が鳴りました。
昼はスキー、夜は麻雀という3泊4日から戻った私は、かなりヘトヘトでした。
家人が誰も電話をとらないので、舌打ちしながら嫌々受話器を取りました。

「はい、もしもし・・。」
「山田様でしょうか。こちら、横浜国立大学経営学部学務課の中村ですが・・・」

ありゃりゃ、受験の時、何かやっちまったかな??
確か、タバコは吸っていないよな??
不正行為なんて、ゼッタイしてないし・・。

瞬間パニックに陥りましたが、電話の趣旨は「繰り上げ合格」でした。

あるんですね。こういうことって。

そして、今日。
塾で親しくさせていただいたお母さんから、一報がありました。
ご子息が開成中学に繰り上げ合格になったと。

18歳の春を思い出しました。
我が事のように嬉しかったです。