私は令和初日を京都で迎えました。
そして、令和最初の神社参拝は、伏見稲荷大社でした。
ご存知の通り、全国に数多ある稲荷社の総本宮ですので、商売を営む端くれとして、京都を訪れた際はお参りさせていただいています。
京都は外国人観光客が多いことで有名ですが、中でも伏見稲荷大社の人気は別格です。
トリップアドバイザーが発表している「外国人に人気の日本の観光スポットランキング」によると、2014年から6年連続1位だったそうです。
延々と続く千本鳥居は、日本的かつ幻想的で魅力的に映るのでしょう。
先日、仕事がひと区切りついたタイミングで、半年ぶりに参拝に訪れました。
連日体温越えの気温が続き、危険な暑さと言われている最中でしたが、まもなく上半期を終えるタイミングでもありましたので、決死の覚悟で上洛しました。
伏見稲荷さんへ到着したのは、午前6時30分。
既に太陽がギラギラ照りつけていました。
そしてこの日、予想外な出来事が3つありました。
1つめの予想外は、早朝から参拝客がたくさん訪れているかと思いきや、上の通り、案外空いていました。
猛暑のせいかな? と思いましたが、本当のことは分かりません。
2つめの予想外は、授与所が7時になっても閉まったままだったことです。
以前は6時過ぎから開いていたんだけどな・・と思いながら公式サイトを調べてみると、昨年3月にコロナ対策の一環として、以下のような決定が下されていました。
お札・お守り・おみくじ・朱印(授与所)の取扱い時間について
8:00から~17:30まで
通常対応になった、と理解すればいいですね。
8月限定の御朱印に心動かされましたが、今回は授与所が開く前に失礼することにしました。
最後の予想外は、楼門手前の両側に鎮座している、狛犬ならぬ狛狐が工事中だったことです。
見えづらいのですが、下の画像の中央にある貼り紙には、以下のように記載されていました。
眷属像の塗り替え工事を行っております。
ご迷惑をおかけ致しますが、足元にご注意のうえ、ご参拝くださいますよう、お願い致します。
最初の3文字(眷属像)は、「けんぞくぞう」と読みます。
「眷属」とは神の使いという意味ですが、サラッと読めたりするとちょっとカッコイイかも知れません。
稲荷大神にとって狐は「神使(かみのつかい)」「眷属(けんぞく)」などと呼ばれています。
熊野神社の烏や八幡神社の鳩などと同じような扱いです。
ちょっと屁理屈を申し上げると、先の狛狐という表現は、正しくありません。
狛犬は、古代インドやエジプトで、守護獣として獅子(ライオン)の像を置いたのが起源といわれ、それが中国・朝鮮半島を経て日本に伝わったことから、「高麗(高句麗)の犬」が語源であることが定説となっています。
従って、狛狐という表現は、本来の意味から逸脱しています。
難しいことは置いといて、この半年、無事に商売を営むことができたお礼ができ、少し心が落ち着きました。
商売がうまくいくかどうかは、自分の努力だけではどうにもなりません。
自分と客の間には神仏が居られることを忘れずに。
真言宗の僧侶のお言葉も心に留め、今後も仕事に邁進したいと思います。