幼い頃悩まされた自家中毒という病が一段落すると、次は、起立性調節障害という病気をいただきました。
学校の朝礼などでずっと立っていると、貧血のような状態に陥り、頭がフラフラして立っていられなくなるのです。
バタンと倒れてしまうことはありませんでしたが、近くの友達に「ゴメン、ダメ」とサインを出すのが常でした。
この起立性調節障害、Orthostatic Dysregulationを略してODと呼ばれています。
思春期に起こりやすい自律神経機能失調と考えられていて、急激な身体発育のために自律神経の働きがアンバランスになった状態、と説明されています。
主たる症状は以下のとおりです。(引用:http://inphs-od.com)
- 朝に起きられない
- 立ちくらみ
- 全身倦怠感
- 食欲不振
- 立っていると気分が悪くなる
- 失神発作
- 動悸
- 頭痛
- 夜になかなか寝つけない
- イライラ感・集中力低下
私の症状は、4と5でした・・。
検査をしても異常がなく、医学的に説明がつかない症状を「不定愁訴」というのだそうです。
起立性調節障害は、血液検査など一般的な検査では異常がみつからないため、不定愁訴と同じように扱われることがよくあるとのことです。
この病気に小児科医が注目を寄せ始めたのは1960年代だそうですから、1961年生まれの私が、単に「ひ弱な子供」として処理されずに起立性調節障害と診断されたことは、運が良かったと言えるかも知れません。
また、ODの子供たちの約3割は不登校を合併しているそうですから、私よりもっともっと深刻なケースも多いでしょう。
不定愁訴が疑われる子どもに対して、医師は起立性調節障害かどうかしっかりと診断して欲しいと切に思います。
そういえば、印象的な出来事がひとつあります。
小学校5年生頃、体育館で校長先生の話を聞いていた時のことです。
「おい、山田、大丈夫か?」
「え???何のことですか???」
「何言ってるんだ、お前、いつも具合が悪くなるじゃないか。」
「はあ、今日は全然平気です・・。」
担任の先生に声を掛けられるまで、その日は何の異常もなく、至って元気でした。
ところが、声を掛けられたことで「思い出してしまった」のです。
そりゃそうだ、オレってこういう時にちょいちょい具合悪くなるよなあ、と。
それから10分もしないうちに、前にいた友達の背中をつつきました。
「わりー、具合悪いわ。」
ワタクシ、わりと繊細な少年でありました。
そして、健康面では両親にずいぶんと心配を掛けた少年でした。
加えて・・、
才知に優れた人はとかく病気がちであるというけれど、才知と病気のバランスが取れていないなあと、自らの子供時代を嘆くのでした。