同じ名字の山田という親友がいます。
外見は、ほぼ「その筋の人」です。
青果市場で早朝から働き、午後は別の仕事に就くという、超人的に働くタフな男です。
私は年に数回、ゴルフコンペの商品手配を彼に依頼します。
順位に応じた予算を提示すると、その時の旬なフルーツや野菜を準備してくれます。
それだけでなく、一つひとつに説明書きを添えてくれるのです。
つい先日依頼した時の優勝賞品は、高級ぶどうの詰め合わせでした。
その内訳は、シャインマスカット、ナガノパープル、マイハート、土佐太郎、コトピー、高妻、ゴルビーの7種類。
今回もこれら全てに、事細かな解説が書き添えられていました。
市場というところには、我々が日常スーパーでは見かけることのない品種が数多く並んでいます
また、夏場にミカンがあったり、冬なのにスイカが売っていたり、驚きの光景が広がっています。
さて、上は我が家のダイニングテーブルで撮った写真です。
誤解のないように申し上げておくと、件のコンペで優勝した訳ではありません。
コンペの賞品を引き取りに行った際に、彼がプレゼントしてくれたものです。
彼と私は、折に触れて、モノを贈り合う仲です。
盆暮れに関係なく、彼は旬のフルーツを、私はラーメンやうどんなどを、挨拶代わりに贈り合っています。
写真について、簡潔に解説します。
写真左上、濃紺色のぶとうは「ナガノパープル」という品種です。
あまり聞かない名前ですが、品種登録されたのは2004年ですから、18年も前のことです。
黒系のブドウなので、皮にはポリフェノールがたっぷり含まれており、1房食べると赤ワイン1本分と同程度のレスベラトロール(ポリフェノールの一種)が摂取できると言われています。
その右下、ちょっと粒がばらけてしまっているのが「コトピー」。
シャインマスカットと甲斐乙女を交配した、果皮が赤いぶどうです。
シャインの味がほのかに感じられ、上品な美味しさでした。
その右上は、ご存じシャインマスカット。
「まだ早いから追熟させてから食べてよ」と言われたにも関わらず、我慢できずに少し食べてしまいましたが、十分美味しかったですね。
一番右上のぶどうは「マイハート」です。
その名の通り、ハート型をしています。
生産量が非常に少なく、市場にもごくわずかしか出回らない希少な品種です。
半分に切って並べると、ハートがとても可愛らしいですね。
お弁当に入っていたら、テンションが上がりそうです。
それから、左下に桃が1つあります。
これは「CX(シーエックス)」という山形県産の超レアな品種です。
梨のような食感が特徴の桃ですが、やや固めの食感に反して、実に甘い!
桃の糖度は通常の11〜14度くらいとされていますが、19度という飛び抜けた糖度の品種です。
その桃の上下にキウイがあります。
私がコンペでゲットしたのはこれです。
福岡県産の「レインボーレッドキウイ」という品種で、サイズはやや小ぶりですが、2つに切ると中が赤くてビックリします。
- 低温でも熟してしまうため貯蔵性が無い
- 生産量が非常に少ない
- 出回る時期も限られている
という貴重な品種ですので、当然、お値段も高めです・・。
ワタクシ、第9位という成績で、この商品を獲得しました。
まさか・・と思って確認すると、やはりそうでした。
「9位だからキウイにしたよ」
コンペの表彰式を盛り上げるためのオヤジギャグも仕込んでくれる市場の彼に、謝意を表したいと思います。
【参考】
今回紹介したのは千住の足立市場内にある関水青果さんです。
一般の人でも購入が可能です。
産地の話、食べ方など、いろいろ教えてくれますので、ぜひ足をお運びください。