045 遠路態々

漢字は奥が深くとても難しいですが、学べば学ぶほど新しい発見がありますね。
我々印刷業は文字を扱う商売ですから、漢字に対する知識は重要だと思っています。
漢検準一級の受検を断念した私が言うのもなんですが・・。

漢字は書くことはもちろんですが、読みも侮れません。
著名人が漢字を読み間違えてしまったネタもたくさんありますね。
最も有名なのは、麻生太郎さんの「みぞうゆう(未曾有)」でしょうか(笑)。

アナウンサーが生放送で漢字を読み違えてしまった、なんてことも結構あるそうです。
「訃報」を「とほう」
「西瓜」を「にしづめ」
「近藤勇」を「こんどういさお」などなど・・。

読売巨人軍の前監督・原辰徳さんの母校「東海大相模」を「とうかいおおずもう」と読んだアナウンサーもいたとか??

そういえば私にも苦い思い出があります。
社会人になってまもなく、会葬礼状の組版をしていた職人さんにこう尋ねました。

遠路たいたいご会葬いただき・・」ってどういう意味ですか?

すると、

「お前は大学まで出てるくせに、何を勉強してきたんだ!」
「遠路わざわざと読むんだ!」

文選の職人さんにひどく叱られました。

遠路態々

この字が読めませんでした・・。

昔の職人さんは、学歴なんかなくても漢字を良く知っていました。
そして、一日中立ち仕事に耐えうる体力も持っていました。
時代は移れど、私も、DTPオペレーターも、見習うべき点がありますね。

【補足】
文選とは活版印刷の工程のひとつで、原稿に従い、活字棚から活字を拾うこと。
一方、文選職人が拾った活字を並べ、組み版を整える工程を、植字といいます。

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