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183 局面打開

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

上記は、弊社近くの深川資料館通り商店街、善徳寺北側に出現する正月飾りです。
毎年楽しみにしているのですが、実は、昨年は設置されませんでした・・。
コロナ禍の今年も見られないだろうなと諦めていたので、非常に嬉しく思っています。

今年の干支をはじめ、富士山や松竹梅、東京タワーやスカイツリーが描かれた、まさに正月気分が高揚する絵柄です。
こういう日本らしさは、今後もぜひ継承して欲しいと思います。

厳しい社会情勢のなか、お正月を豊かな気持ちにしてくださった方々に、深く感謝いたしたいと思います。

さて、去る7日、2度目の緊急事態宣言が関東の一都三県に発出されました。
まだ、松の内だというのに、物騒なことになってしまいました。

その影響もあって、成人式が各地で中止になっているようです。
節目の儀式が開催されないのは、残念で悲しいことです。

私の成人式は、39年前。
文京区の式典は、茗荷谷の拓殖大学で開催されました。
小中学校時代の友人と久しぶりに再開し、楽しかった思い出が残っています。
着慣れないスーツの胸に薔薇の花を差して、写真を撮ったりしました。

また、ホテルの写真室で記念撮影をしてこい、と父に言われ、親友を誘いました。
1人ずつ撮影したあと、何故か2人で一緒に撮る運びとなり、20歳の男のツーショットを撮りました。
椅子に座った私の肩に親友が手をのせた1枚は、両家の家族からどうしてこのポーズかね、と冷やかされました。
もちろん、カメラマンの要求に従っただけですが・・。

成人式以外にも、卒業式や入学式など、様々な行事が中止に追いやられています。
若き日の記念すべき1ページが白紙になってしまうのは、なんともやるせない思いがします。

我が家のセガレも、昨年予定していた修学旅行が来月下旬に延期になっています。
果たして実施できるのか、現時点では非常に危うい状況です。
また、昨年中止になった体育祭についても、今年の開催はまだ不透明です。

来週は、大学入学共通テスト(旧センター試験)が行われます。
今月後半からは、中学受験も始まります。
不自由を強いられた今年の受験生に幸あれと祈ります。

誰もが、1日も早いコロナの収束を祈っています。
政治批判をするのは簡単ですが、今、出来ることを精一杯頑張る、これに尽きるかと思います。

182 道険笑歩

2020年のプロ野球は、新型コロナウィルスの影響で、変則的な開催を強いられました。
そんな中、私が応援する読売ジャイアンツは、リーグ連覇を果たしました。

8月下旬、広島戦で今季初の同一カード3連敗を喫しましたが、原辰徳監督はミーティングである言葉をナインに贈ったそうです。

道険笑歩。

道険しくとも笑って歩こう、という意味。

実はこの言葉、ボクシング元スーパー・フライ級チャンピオンの徳山昌守選手が作った言葉です。
以下は、紀伊國屋書店のサイトに掲載されている、徳山氏の著書「道険笑歩ー道険しくとも笑って歩こう」の著書紹介です。
出典:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784072344200

道険笑歩ー道険しくとも笑って歩こう

・徳山昌守【著】
・主婦の友社(2002/09発売)

著者等紹介
徳山昌守[とくやままさもり]
本名・洪昌守。1974年9月17日生まれ。在日朝鮮人3世のプロボクサー。現WBC世界スーパー・フライ級チャンピオン。4度の防衛に成功。足を使ったフットワークと左右のストレートが持ち味の右ボクサーファイター。在日朝鮮人を公言したはじめてのボクサーとして注目を集める。「2001年ボクシング年間表彰選手」の最優秀選手賞、「2001毎日スポーツ人賞」感動賞など受賞

出版社内容情報
自作の詩を盛り込んだ、書き下ろし自叙伝。世界チャンピオンいう重圧、在日朝鮮人として生きることを一身に受け入れた壮絶なドラマである。

「在日やからエライんか? チャンピオンやからスゴイんか?」―。自ら在日朝鮮人であることを公言したボクサーが背負った、あまりにも大きい重圧と反発。本書は徳山昌守の生きざまをたどる、壮絶なドラマである。数々の苦難を乗り越えて、ついにボクシングの世界で頂点に立った男。しかし、王者である限り、彼に安住の地はない。常に、終わりなきトーナメントを続けてゆくのだ。家族の支えと偉大な父への反骨精神、在日であることへの誇りと戸惑い。そんな心の葛藤を鮮やかに描き出した自作の詩50篇を掲載。タイトルにもなっている「道険笑歩」は彼の作った四字熟語。どんなに道が険しくても笑って歩こう―。チャンピオンとして、また「在日の星」として生きていくことを貫こうとする徳山昌守流哲学を象徴する言葉だ。夢を追いかける人、夢を失ってしまった人すべてに送る、渾身のメッセージ。

諦めない姿勢。
最善の準備。
そんなプロとしての厳しさ、過密日程を乗り切るタフさが要求される中でも、笑える余裕をどこかに併せ持とうと、監督は選手に伝えたかったのでしょう。
その言葉の通り、ナインは日々、円陣で笑い合い、喜びを分かち合い、優勝を勝ち取りました。

今年は、小さなウイルスに翻弄された激動の1年でした。
弊社も、オペレーターはテレワークにし、他の社員は時短勤務としました。
売上が落ちるなかで、雇用と給与を維持することに腐心しました。

東日本大震災以上の惨禍は、自分が生きているうちには起こらないと思っていました。
しかし、新元号「令和」の門出を祝ったその翌年、歴史的困難に陥るとは想像の余地もありませんでした。

そんな険しい年であるからこそ、笑うことが重要なのかも知れません。
免疫力を上げ、記憶力や判断力が活性化し、プラス思考を高めてくれるなど、笑いの効果は、様々指摘されています。

ある免疫学の医師は、ストレスを克服する最も簡単な方法は「笑うことだ」と述べています。
また、あるメンタルヘルスの専門家は、「ユーモアを大切にする」「意識的に笑う」といったポジティブな態度がコロナ禍でのメンタル維持に有効だと言い、ある産業医は、声を出して笑うことで、自分の中に溜っているものが解放され、少し楽になる感覚があると述べています。

笑う門には福来たる。

相手に笑顔をもたらすユーモアのある言葉は、業務が円滑に遂行するためのスパイスだと思います。
明日の仕事納めを前に、2021年はこんなキーワードも念頭に置いてみようか、などと考えています。

181 鳶目兎耳

若い頃、視力には絶対の自信がありました。

車を運転していると、同乗者が驚くほど遠くの標識が識別できました。
また、大学時代は試験中に周囲の答案を拝覧し、単位取得にずいぶんと役立ちました。
視力検査で1.5以外を計測した記憶はありません。

一方、聴力にも長けていたと思います。
目を瞑って集中した時は、人並み以上の知覚能力があったと自負しています。

ところが、30代後半で老眼の症状が現れ、今は食事の際も老眼鏡が手放せません。

そして、数年前から、補聴器も使用するようになりました。
補聴器無しでは生活できない、というレベルではありませんが、左耳が軽度の難聴です。

補聴器は大きく分けて「耳かけ式」と「耳あな式」がありますが、私は耳かけ式を使用しています。
下は、私が使用している補聴器のメーカー・Widex社の公式サイトに掲載されているイラストです。

出典:https://www.widexjp.co.jp/ha_choice/about/features.html

①のマイクで音を拾い、ベージュ色で表示された本体部分にアンプの機能が内蔵されていて、⑤のレシーバーから音が出る仕組みです。

私の補聴器の本体部分の長さはおよそ2.5cmですから、小豆大のサイズといったところでしょうか。
非常にコンパクトなサイズです。

小さいだけではなく、色も10種類以上ラインナップがあります。
赤やグリーンといった女性を意識した色もあり、肌に同化したベージュ一辺倒だったひと昔前とは全くの別物、と言えるかと思います。
因みに、私の補聴器はグレイです。

装着方法は、本体部分を耳の後ろにセットし、釣り糸のような細いチューブで繋がったレシーバーは耳の穴に入れます。
本体は耳の裏側ですから、顔の正前からは見えませんし、髪が長い人なら完全に隠れてしまいます。
私も本体が隠れるように髪を少し伸ばしたこともありますが、某オフィスの庶務課長さんから「変な髪型してるね、鏡見た?」とイジられて以来、要らぬ抵抗は止めました。

ところで、今年は私のような耳かけ式補聴器のユーザーは、すこぶる困った事態に陥っています。
マスクを外す際に、補聴器が耳から外れてしまうため、私は8ヶ月以上補聴器が使用できずにいます。
慎重にマスクを外せば済むことですが、補聴器は使用感がさほどないので、外すたびに補聴器に注意を向けるのは現実的ではありません。
ましてや補聴器は高価なので、落下したら一大事です。

耳あな式補聴器ならば、マスクとの相性も悪くないと思います。
しかし、マスクのゴムを耳に掛ける以上、耳かけ式補聴器は大問題です。

これまでは、マスクが必要になるインフルエンザの時期だけ補聴器なしで生活していましたが、常時マスクが手放せない時代になり、非常に困っています。

そこで、補聴器の代役として、「オリーブ スマートイヤー」という集音器とも言えぬ商品を購入してみました。
耳の穴にスポッと入れて使用し、スマホで様々な設定ができる先端的な製品です。
https://www.olive.store

正直言って、難聴の補助役としては、補聴器の方に軍配が上がります。
補聴器は個々の症状に合わせた設定をしますので既製品の範疇ではありませんし、管理医療機器です。
そもそも価格にかなりの差があります。

ただ、オリーブスマートイヤーは、Bluetoothでスマホと繋ぐので、ワイヤレスで通話ができたり、音楽を再生できたりする点は非常に便利です。

色は白と黒があって(私は白を購入しました)、若者のワイヤレスイヤホンと見まがうような今ドキの形状をしています。

先週末、オリーブを装着して会社へ向かおうとする私を見て、カミさんがクスクス笑っています。
「R-1のキャップを耳にはめているのかと思った(笑)」。

ファッショナブルな中年を目指しましたが、遥けき夢だったようです。

出典:https://www.meiji.co.jp/dairies/yogurt/meiji-r1/product/

180 無病息災

私の義母は満80歳になります。
若い頃から、風邪もほとんど引かない、元気印の老媼です。

具合が悪くてダラダラしている姿が嫌いで(これを本人は「クタクタしている」と表現します)、風邪気味で声が嗄れていても風邪なんか引いていない!と言い張り、肩こり、不眠症、便秘、冷え性などにも縁が無く、概ね元気に齢を重ねてきました。

しかし、ここ数年、医者通いを強いられています。

糖尿病の疑いで近所の医院へ行った際、「私は内科医になって☆☆年が経つけれど、こんな酷い血糖値は見たことがない!」と医師から叱られました。

また、ここ数年は血圧が高く、降圧剤を処方されています。

そして、ヘモグロビン値が低いので、めまいの検査を受けるようにと紹介された大学病院では、「この数値で、本当に自覚症状はないの?」と言われたそうです。
この病院へはその後も定期的に通院していますが、先日、予定の時間になってもなかなか帰宅しませんでした。
あとで話を聞くと、検査結果が更に悪化していたため、急遽輸血をすることになって時間を要したとのこと・・。

そこで、義母に携帯電話を持ってもらうことにしました。
そもそも、近くへ買い物に行ったきり長時間帰宅しないこともしばしばなので、今後は周囲の心配は軽減されそうです。
ピンク色のらくらくホンをプレゼントし、基本的な発信と着信方法だけをご教示しました。

そんな義母の最大の趣味は「食べること」。
そして、特徴は「ややずぼらなところ」。

糖尿病などどこ吹く風で、食べたいものを食べ、間食も楽しみ、一方、食事前のインスリン注射を怠ったり、薬の服用がちらほら抜けたり・・。
緊張感はさほど感じません。

ただ、そんな若干いい加減なところが、元気の秘訣なのかも知れません。
検査結果に一喜一憂したり、病気のことが始終頭から離れないよりも、少しあっけらかんとした思考が、ほどよく元気を保っているように思います。

コロナのために、会食をずっと控えてきましたが、先日、久しぶりに食事に誘いました。
義母の大好きなホテルのビュッフェ、とはいきませんでしたが、家の近所の和食屋でランチコースをいただました。

デザートを食べてそろそろお開き、というタイミングで、私たち夫婦の結婚25周年へのお祝いをいただくサプライズがありました。

そう、銀婚式です。

義母の傘寿のお祝いもできずにいたなか、逆にお祝いをいただきとても恐縮しました。

1995年11月5日、日曜日、先負。

目黒雅叙園で挙式を行ったあの日から早25年。
私は当時の父の年齢を超え、カミさんは母の年齢を超えました。

披露宴に出席していただいた方で、その後、鬼籍に入った方が少なからずいらっしゃいます。
特に、先日長姉が亡くなったことで、父はすべての兄弟を失いました。
母方も、体調の優れない弟が1人残るのみです。
時の流れの儚さを、しみじみと感じます。

家族元気で仲良く過ごしていることが最大の親孝行だ、と母は言います。

25年の間には、私が入退院を繰り返した時期や、カミさんのメンタルが不安定な時期がありましたが、セガレも含め、元気に日々生活が送れている今を、有難く思います。
コロナ禍にあって、健康の大切さを改めて考えさせられています。

179 眉目秀麗

うちのカミさんは子供の頃「むずむず脚症候群」だったそうです。
昼寝をしなさいと言われたのに、脚がむずむずして寝られないことが頻繁にあったそうで、大人になってからその病名を知ったそうです。

専門サイト・ムズムズドットコム(http://muzumuzu.com)によると、

この病気は女性の方が男性よりも1.5倍程度多く、また患者さんは40歳代以上の中高年で急激に増加し、年齢が高くなるほど増加していく傾向があります。多くはありませんが、小児や児童でもむずむず脚症候群になることがあり、学校の授業に集中できないなど日常生活に影響が出る場合もあります。

中高年に多いものの小児でも罹患するとのことですから、カミさんはこの病だったのかも知れません・・。

ところで、この「むずむず脚症候群」もそうですが、やや変わった名称の病名ってありますね。

 

サザエさん症候群

日曜日の夕方になると、週明け月曜日からの仕事のことを考え、憂鬱な気分に陥ってしまうという症状。
この傾向は海外でも同様で、英語圏では『Sunday Night Blues(日曜の夜の憂鬱)』と呼ばれるなど、週明け以降の業務のことを考え、暗い気分に陥ってしまう方が一定数存在すると思われる。

サザエさんが、毎週日曜日の18:30からテレビで放映されていることが命名の由来のようです。
私がその症状に陥ったら、「笑点症候群」かなと思ったりもしています

 

ピーター・パン・症候群

1970年代後半アメリカで誕生した言葉で、大人の年齢に達しているにもかかわらず、精神的に大人になれず仲間に入ることができない男性のこと。現代では、大人になることを拒み現実逃避する傾向のある男性を指す。
言動が子供っぽいというのが特徴で、それゆえ、精神的・社会的・性的な部分にリンクして問題を引き起こし易いと考えられる。

無邪気にはしゃいだり、些細なことも楽しむ「子ども心」は、人生を豊かにするファクターだと思いますが、どうやら概念が異なるようです。
また、単なるマザコンと括ることも誤りのようです。
「見た目は子ども、頭脳は大人」の名探偵コナンの逆バージョン?と思ったりもしましたが、これも適切ではなさそうです。

 

不思議の国のアリス症候群

主な症状は、目の前の人や物が急に大きく見えたり、小さく見えたり、ゆがんで見えたりするというもの。
また、空中を浮遊しているような感覚や、自分の姿を見下ろしているような離人症状が表れることもある。
原因ははっきりと分かっていないが、エプスタイン・バー(EB)ウイルスに感染することで、脳の表面に位置する大脳皮質と呼ばれる部分に広範囲にわたって炎症が生じ、知覚異常が引き起こされるからではないかとの説がある。

実は私、子供の頃、これに似た経験があります。
体調を崩したときにだけ、決まったキャラのオジサンが部屋の隅に見えるのです。
健康な時には遭遇したことがないので、体調と何らかの繋がりがある症状だったに違いないと思います。

 

ナイチンゲール症候群など

ナイチンゲール症候群とは、看護提供者(通常は看護師)が患者に対して、基本的なケア以上の関係がないにもかかわらず、恋愛・性的感情を抱いてしまう状況を指す。
その感情は、通常患者が回復したり助けを必要としなくなった段階で徐々に失せていく。

私の親友のI君は、高校生のとき大学病院に入院し、退院後、病棟でお世話になった看護師さんと交際に発展した武勇伝の持ち主です。
新人の看護師さんだったとしても、5歳以上年上です。

若い頃、私の周囲でモテた男といえば、I君の右に出る者はいません。
一緒に遊んでいても、カッコイイと評されるのはいつもI君で、私は決まって「面白い人」止まり。
冷静に比較すれば、私よりも明らかに手足が長く、目も格段に大きい。
さらに、口調も穏やかで優しい気質ですから、抵抗の余地はありません・・。

カッコイイと言われたい、という望みはとうの昔に捨てましたが、「面白いオッサン」は、もうしばらく維持したいと思っています。

出典:
むずむず脚症候群 http://muzumuzu.com
サザエさん症候群 http://work-switch.persol-pt.co.jp/anti-sazaesan-syndrome/
ピーター・パン・症候群 https://www.hospita.jp/disease/2191/
不思議の国のアリス症候群 https://medical.jiji.com/topics/1430
ナイチンゲール症候群 https://www.weblio.jp/content/ナイチンゲール症候群

178 新涼灯火

今年は本を読む時間が多くなりました。
言わずもがな、新型コロナウイルスの影響で、自宅で過ごす時間が増えたからです。

元々ノンフィクションばかり読んでいましたが、ひょんなことから「おいしくて泣くとき(森沢明夫著)」という小説を読んで以来、ハートフルな小説に嵌ってしまいました。
コロナのせいで日々ギスギスし、知らず知らずに心が疲弊していたのでしょうか。
今年の夏は、小説を読み漁りました。
「流浪の月(凪良ゆう著)」と「ひこばえ(上下巻、重松清著)」が特に印象に残っています。

それから、本を探すにあたり、アプリを使い始めました。
「honto with」というアプリで、丸善、ジュンク堂、文教堂の店頭在庫を調べることができ、取り置きやお取り寄せも可能です。
新刊のチェックもできますし、幅広く本の検索ができるので重宝しています。

とはいえ、実際に書店を歩いて本を探す楽しみは捨てがたいので、アプリは上手に併用していきたいと思っています。

小説を読む日が続きましたが、じわじわと生来のノンフィクション好きが再び頭をもたげてきました。

早速アプリで検索してみると、ふむふむ・・。

森友事件の公文書改ざんの本、少女たちが見た長崎原爆の本、原発事故と闘った医師たちの本、新型コロナへの政府の初期対応を批判した本、未解決事件を扱った本などを早速購入しました。

さらに、読書をより楽しくするアイテムも用意しました。

ひとつは「読書灯」です。
夜、布団に入ったあと、手元を照らすために購入しました。
わずか2,000円程でしたが、LEDなので想像以上に明るくて驚きました。

もうひとつは、読書専用のメガネです。
目の老化が止まらないため、快適に本が読みたい一心で、少々度の強いシニアグラス(老眼鏡とは敢えて呼ばず・・)を作りました。
スポーティな外観が斬新でオシャレで、TPOをわきまえていない感じが気に入っています。

「新涼灯火」
秋の初めの涼しくなり始めたころは、明かりの下で読書をするのにふさわしい時期。

穏やかな気候の下、カフェのテラスでの読書は、下戸の私にとって至福の時です。
コロナ対策を十分講じたうえで、外で過ごす時間も少しずつ増やしていけたらと思っています。

177 三密瑜伽

まもなく8月が終わります。
少し気の早い話題ですが、今年の流行語大賞は新型コロナウイルス関連が、大半を占めることになるでしょう。

濃厚接触、クラスター、オーバーシュート、ソーシャルディスタンス、ステイホーム、テレワーク、フェイスシールド、不要不急、オンライン飲み会、東京アラート、大阪モデル、8割おじさん、アベノマスク・・。

思いつくだけでも多々ありますが、私の中では「三密」が大賞候補です。
言うまでもなく、密閉・密集・密接です。

また、新たな三密という記事をどこかで読みました。
新聞だったか、ネットだったか忘れましたが、およそ以下のような内容で、感心しました。
  • 今後の人生や生活を綿密に考え直す
  • ソーシャルディスタンスを維持しつつ濃密な関係を築く
  • 人や場所とのつながりを親密に感じながら日々を楽しむ

以前のような生活がすぐに戻ることはないでしょうから、新たな生活様式を頭で理解し、実践していかなければならないでしょう。
それは詰まるところ「簡素」な方向へに舵を切ることになるのでしょうが、過度にならないようにしたいと思っています。

カミさんが早起きして作ってくれるお弁当は、美味しくて抜群に安全ですが、行きつけのお店で食べるランチは、仕事の気分転換に有効です。
デパ地下は、見ているだけで幸せな気分になります。
また、健啖家の義母を、大好きなホテルのビュッフェに連れていってあげたいなあ、とも思います。

様々な感染症を克服してきた歴史からも、この困難を賢く乗り越えられる日が来ると信じたいと思います。

ところで、そもそも三密には「空海がひらいた真言宗をはじめとする密教の教え」という意味があるそうです
そういえば、高尾山に「三密の道」と記された門があるという報道を思い出しました。
ネットを調べてみると、東京新聞6月16日WEB版に関連記事を見つけました。(https://www.tokyo-np.co.jp/article/35764)

「『三密』は、真言宗の教えにある言葉です」。
高尾山薬王院の法務部長、堀江承豊さん(61)が解説してくれた。「三つの密」とは、真言宗(密教)では「身密(しんみつ)」「口密(くみつ)」「意密(いみつ)」のことで、それぞれ正しい行い(身)、正しい言葉(口)、正しい心(意)を心掛けるための修行を指すのだという。
(中略)
堀江さんは「宗教的な意味と異なる『三密』が広まってしまった」と苦笑しながら、「本来の教えを今の生活に生かすこともできる」とも語る。「感染する恐れがある行為は行わない」(身密)「感染者や医療従事者らへの誹謗(ひぼう)中傷を行わない」(口密)「周囲の人にいたわりの心を持つ」(意密)−。気持ちがすさみがちな今だからこそ、「三密を意識することが大切なのではないでしょうか」と訴える。

悲しいニュースに心がざわつくこともありますが、自分の心と向き合いながら、真心を込めた行動や発言を心がけたいと改めて思いました。

終わりに・・、

世の男性たちの多くは、初めて「三密」と聞いたとき、壇蜜さんを思い浮かべたことと思います。
ワタシもその1人です。

『テレビから三密と聞こえると「呼ばれたかな」と反応してしまうんです』と語っていた壇蜜さんのコメントに、ほっこりした記憶があります。

また、「断密、ワタシからもお願い」という文言と壇蜜さんの写真をSNSで公開したファンがいましたが、写真の使用許可を得ておらず、法的問題が指摘されたそうです。

ところが、壇蜜さんの所属事務所は「こんな時代だからパロディで和んでくだされば」と寛容な姿勢を示したとのこと。

ギスギスした時代にあって、まさに、和みますね。

なお、「三密瑜伽」の「瑜伽」は、修行者の三密と仏の三密が互いに交じり、溶け合うこと、なのだそうです。

176 偏旁冠脚

そろそろ7月が終わろうとしていますが、東京では雨の日が続いています。

最も遅い梅雨明けはいつだったのだろうと調べてみると、気象庁のサイト内に「昭和26年(1951年)以降の梅雨入りと梅雨明け」というページがありました。(https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/baiu/kako_baiu09.html)

それによると、昭和57年(1982年)の「8月4日」が最も遅かったようです。

38年前の夏ですね。
私は、大学3年生でした。
ひとりでロサンゼルスへ旅立ったのは、梅雨明けの数日後だったんだなと、学生時代に想いを馳せながらサイトを見ていると、1993年だけ日付が未掲載になっていることに気づきました。

注釈によると「梅雨入り梅雨明けの時期がはっきりしなかったため、特定しなかった場合」とのこと。
こんな年もあったんですね。

今朝、テレビの天気予報を見ていると、今日の雨のポイントは「疎雨」と紹介されていました。
「そう」と読み、「疎らに降る雨」という意味だそうです。
いい言葉だなあと感じながら、雨がつく熟語を書き出してみたくなりました。

梅雨、大雨、長雨、雷雨、風雨、雨季、雨傘、雨靴、雨具、雨天、雨音、雨粒、雨男、雨女、穀雨、雨水、雨樋、時雨・・。

最後の4つは、我ながら良く浮かんだものだと悦に入りながら漢和辞典を開くと、まだまだ数え切れないほど掲載されていました。

驟雨、膏雨1)、陰雨2)、白雨、法雨、喜雨3)、雨意、雨花、雨脚、雨矢、雨施、雨集、雨師、雨飛、雨潦4)、雨涙・・。

1)膏雨:農作物をうるおし、生育を助ける雨。
2)陰雨:しとしとと降りつづく陰気な雨。
3)喜雨:夏の土用の頃、日照りが長く続いて旱ばつ状態となっている時にようやく降る恵みの雨のこと
4)雨潦:雨が降ってできた水たまり。

こういう語彙力を身に付けることは、文字を生業にする者にとって、表現力が向上しますね。

「雨」を調べたついでに、「あめかんむり」のページも読み進めると、大変興味深く、夢中になってしまいました。

雪、雫、雰、電、雷、零、需、震、霊、霞、霜、霧、露・・。
上記の見慣れたもの以外に、興味深い漢字を見つけたのです。

  • 霖:【りん】ながあめ。3日以上降り続く雨。
  • 霪:【いん】ながあめ。10日以上降り続く雨。「霖霪(りんいん)」も長雨の意味。
  • 霤:【りゅう】あまだれ。屋根から落ちる雨水。
  • 雩:【う】あまごい。雨を天に祈る祭り。また、あまごいをする。
  • 霰:【さん、せん】あられ。空中の水蒸気や雨滴が凍って降ってくる粒状の氷。
  • 雹:【ひょう】ひょう。雷雨などに伴って降る氷のかたまり。あられの大きなものをひょうという。
  • 霙:【えい、よう】みぞれ。雨混じりの雪
  • 霏:【ひ】雪や雨の、音もなく降りしきる様子。
  • 霑:【てん】うるおう。うるおす。
  • 靄:【あい】もや、かすみ。地表近くの大気中に霧や水蒸気の立ちこめる現象。靄然はかすみのたなびく様子。
  • 霓:【げい】にじ(虹)。雨上がりの空にかかるにじ。古代には、にじにも雄雌があると考え、雄(鮮明なもの)を虹(コウ)、雌(薄い光のもの)を霓(ゲイ)といった。

漢字は奥が深く、勉強するほど楽しいですね。
漢検準一級にもう一度トライしたいのですが、60手前のアタマは、知識が留まることなくサラサラと流れ落ちるので、厳しい戦いになりそうです。

175 無妄之福

今年2月頃、ドラッグストアの店頭からマスクが消えました。
深刻な品薄が長期化する中、家電メーカーのシャープがマスクの生産に参入しました。

信頼できる日本企業が、液晶パネルも生産できる国内のクリーンルームで製造するとあって、発売当初から大きな注目を集めました。

因みに、第1回抽選販売の当選倍率は107倍。
その後も人気は衰えず、第11回目の抽選で倍率がはじめて100倍を切ったそうです。
86,000箱の販売に対して、応募総数が8,515,139人でしたので、正確には99.013倍です。

そして、
なんと、
その99倍に、
当選しました(゚Д゚)

随分狭い門を通過できたものです。

当選を知らせるメールが届いたとき、個人的にはマスク不足は解消していましたので、格別嬉しいという感じではありませんでしたが、考えてみれば99人に1人の確率です。

購入を辞退することもできるのですが、この強運を無駄にしてはバチが当たる思い、早速支払い手続きを済ませたところ、先日商品が届きました。

私は、元々クジ運が強い方ではありません。
少なくとも自身の認識はそうでした。

しかし、よくよく思い返すと、過去に特大ホームランを2発、かっ飛ばしています。

ひとつは、2年前、ある夏のイベントの抽選会でのこと。
サマーフェスタと銘打ったそのイベントで、私は焼売と春巻の販売員を務めていました。
そろそろ抽選会が始まるというとき、近くの女性スタッフに半券を委ね、私は売り場に残りました。

「ヤマダさーん!大変、大変!当たったよ〜!!!」

焼売そっちのけで抽選会場へ行くと、1等の箱根宿泊ペアチケットが当たったとのこと。
その確率は、およそ300分の1くらいと思います。
ところが、私の立場はイベントの手伝いに駆り出された、言わば「関係者」。
抽選会の司会をしていた親しいスタッフから「もちろん辞退だよね」と強要され、「パワハラで訴える!」と笑いながら壇上から降り、代わりの景品として麦わら帽子をいただきました。

もうひとつは、かれこれ7〜8年前、ジャイアンツの試合を観戦していたときのことです。

東京ドームでは試合の途中、スポンサーの佐藤製薬が、スーパーバズーカ企画を行っています。
これは、サトちゃんとジャビット君が、カートから「サトちゃんTシャツ」をバズーカで客席にプレゼントするのです。
3塁側内野席に座っていた私は、そのTシャツを見事にキャッチしました。

内外野で行われているのか、1試合で何発のバズーカが発射されるのかなど、詳しいことは承知していませんが、仮に10回発射されたとして、満員の東京ドームの観客数4万人を分母にすると、実に4,000分の1です。

獲ってやる!とムキになったのではなく、来たかな?と思って伸ばした左手に、まるでスローモーションのようにすっぽり収まりました。
周囲の方々から祝福の拍手をいただき、ちょっと照れくさかった記憶があります。
夏になるとパジャマ代わりに着用しているのでだいぶ傷んでいますが、非売品ですし、ここでしか手に入らない貴重品です。

幸運が舞い込むのは無欲なとき、なのかも知れません。

 

174 枕経藉書

今日の読売新聞朝刊の社会面に、「先月 本が大売れ」という見出しを見つけました。
5月の紙の出版物の売り上げが前年比111.2%を記録し、2008年7月の調査開始以来、最高の伸び率だったそうです。

小中学校などの一斉休校により、児童書や学習参考書が大幅増加となったほか、「鬼滅の刃」など人気のマンガが、コミックの売り上げを前年比1.5倍以上に押し上げたそうです。

巣ごもり需要の高さがうかがえる結果だと思いますが、印刷業界に身を置く者として、このニュースを非常に嬉しく思います。
私の本業は商業印刷ですから、出版業界とは異なりますが、紙の本の需要が増えたという知らせは朗報です。

先月は新型コロナの影響で休業していた店舗も多く、営業を継続した約1,500店に限ると、134.2%の伸びだったとか。
都市部の大型書店はほぼ休業していましたから、街中の書店が売り上げを伸ばしたのでしょう。

私は書店、特に大型書店が好きなので、営業を再開を心待ちにしていました。
それ故、先日神保町の三省堂書店と丸善丸の内店を久しぶりに訪れて、ひときわ楽しい時間を過ごすことができました。

大好きなノンフィクションをはじめ、新刊の小説などを結構買い込んだのですが、あっという間に読み終えてしまったので、今日は有隣堂へ出向きました。
レジでズッシリと商品を受け取った時、ちょっと買いすぎたか・・とも思いましたが、全国民へ支給される10万円の使い途としてはまあいいか、と思ったりしています。

ところで、新聞には、専修大学の植村教授(出版学)のコメントも掲載されていました

多くの人は子どもの頃から、教科書をはじめ紙の本に親しんだ経験がある。「ステイホーム」と言われる中で、「読書回帰現象」が起きた。一過性の現象に終わらせず、紙の本の良さを見直す機会にしたい。

紙をめくる。
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表紙には書店のカバーが付いている。

これが、私にとっての読書です。
紙の良さをぜひ見直していただきたいと思います。