月別アーカイブ: 2017年6月

110 皇統連綿

6月9日、天皇陛下の退位を認める特例法が、参院本会議で自由党を除く与野党の全会一致で可決、成立し、光格天皇以来約200年ぶりの退位に向けて第一歩を踏み出しました。
退位は陛下一代を対象としていますが、政府は、将来の先例となり得るとの見解を示しています。

昨年夏、陛下は、年齢と健康問題を理由に、在位30年を節目として譲位する意向を示されました。
しかし、天皇は憲法第4条で「国政に関する機能を有しない」と定められているため、陛下の「お言葉」を理由に法律を作ると憲法違反の疑いが生じることから、特例法の第1条には、以下の文言が含まれています。

・・・国民は、御高齢に至るまでこれらの御活動に精励されている天皇陛下を深く敬愛し、この天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感していること、さらに、・・・

主権者である国民の理解に基づいた法律であることが強調されている訳です。

一方、昨年開かれた有識者による会合では、「天皇は祈るだけで他に何もしなくてよい」「存在するだけで有難い」という意見があったと知り、非常に違和感を覚えました。

話の本質としては、棟梁が「もう歳だから後進に道を譲る」と言っているのですから、下で働く職人たちはその道筋をつければよいと思うのです。
隠居すべき、隠居すべきでないと議論するのは、筋違いなのではないかと・・。

最終的には、世論に押されて成立の運びになったと言っても過言ではないかと思います。

また、女性宮家の創設も重要な課題となっています。
自民党内では慎重論が強いようですが、私は必要ではないかと思っています。
ただ、眞子さまがご結婚されて民間人になられた後に、佳子さまや愛子さまが皇族の地位にとどまられたりすることになると、これも問題だと思います。

また、陛下の孫の世代で、男性皇族は悠仁さまだけですから、いずれ、相当量の公務を悠仁さまが抱えることになるのではないでしょうか。
安定的皇位継承や皇族減少への対策は、いち早く検討すべきだと思います。

今後の日程は、2019年元日に「平成」を改元する案を軸に、進んでいくようです。
ただ、印刷業としては、事前に改元が決定していると「特需」が発生しないなと感じたりします。
突然元号が変わった方が、刷り直しによって印刷業界が少し潤うかと・・・・。
些か不謹慎ですね。発言撤回します・・。

200年ぶりに行われる儀式に立ち会えることを、素直に、楽しみにしたいと思います。

109 前途洋々

ドイツのデュッセルドルフで開催されていた世界卓球が幕を閉じました。
私が、最も印象に残ったのは、弱冠13歳、中学2年生の張本智和くんです。

史上最年少でベスト8に進出し、最後は世界ランク3位の中国選手に負けはしましたが、1ゲームを奪う健闘を見せました。
この試合は、日本時間の早朝4:45から放映されたのですが、我が家は全員でテレビ観戦しました。
私にとっては、いつもより15分だけの早起きでしたので、特別なことでもありませんでしたが・・。

今大会、張本くんの快進撃のきっかけとなったのは、日本のエース・水谷隼選手を破った2回戦ではないでしょうか。
大番狂わせ、下剋上と報じられましたが、破れた水谷選手も『純粋に強かった』と述べていたように、決してまぐれではないでしょう。

しかし、とても残念なことに、この試合は地上波では放映されませんでした。

日本時間の6月1日夜、『さあ、このあとは水谷さんと張本くんの日本人対決だぞ!』と思ったその時、世界卓球から全仏オープンの錦織選手の試合へ、中継が切り替わってしまいました。
二元中継であることは知っていましたが、世界の大舞台での日本人選手の対決を放送しないことに、ひどく失望しました。

ネット上でも、『卓球やれー』『今日はテニスじゃないでしょ』などという声がかなり上がっていましたし、危うく錦織選手がキライになるところでした。

タイムアウトの際に監督の助言をまっすぐに聞く姿勢や、4回戦で対戦したヨーロッパの選手に嫌がらせとも思える仕打ちを受けても自分を乱すことなく正々堂々を戦う姿には、感動を受けました。
東京オリンピックを17歳で迎える張本くんの成長を、陰ながら応援したいと思います。

 

それから、もうひとり中学生の怪物にも触れておきたいと思います。
そもそも非凡な人たちの集団である将棋界にあって、「天才」と呼ばれる藤井聡太四段です。

藤井くんは平成14年生まれの中学3年生で、21世紀生まれ初のプロ棋士なのだそうです。
ご両親は将棋界とは関係がないようで、初めはおばあちゃんに手ほどきを受けたとか…。

彼が現在通学しているのは、名古屋大学教育学部附属中学校。
愛知県内有数の名門校で、辻元清美衆議院議員も同附属高校の卒業生とのこと。
勉学も優れた少年のようです。

一方、相当のおっちょこちょいだそうで、お母さんは「生活能力が低い」とコメントしています。中学に入学してまもなくの頃、大阪の関西将棋会館に1人で泊まりがけで行かせたところ、「服と傘を全部(将棋会館に)忘れて帰ってきた」という逸話の持ち主だとか。
将棋も勉強も私生活も完璧、なんていうより、とても魅力的な少年だと私は思います。

2017年6月6日現在、プロデビューから公式戦20連勝中ですが、記録はどこまで伸びるのでしょう。
将棋界は、対局中にスマホで将棋ソフトを使用した云々騒動がありましたから、藤井くんは正に救世主のような存在かも知れませんね。

張本くんも藤井くんも、それぞれの世界でひときわ輝きを放っています。
正に、前途洋々。
明るい未来へ突き進んで欲しいと思います。