月別アーカイブ: 2017年9月

120 心満意足

大学1年生、18歳のとき、無免許運転で警察のご厄介になったことがあります。
大学の同級生・マモとバイクに乗っていたら警官に止められ、御用となったのです。
バイクといっても原付ですから、自転車の延長みたいな気分で乗っていたのですが、これも立派な法律違反です。

「君、まだ未成年だから、保証人のハンコが必要なんだよね。大学の先生か誰かに頼める?」

警官にそう言われたものの、まさか先生にそんなお願いができるはずはありません。
東京の自宅を往復すれば3時間以上かかりますし、そもそも親にはナイショで事を済ませたい訳で、とは言え保証人の印鑑を快く押してくれる方がそう容易くいるはずもなく・・。

「オレの下宿の隣の住人に頼んでみようか?」

マモが突拍子もないことを言い出しました。

「若い女の人がひとりで住んでるんだけどさ、いつも昼間はいるんだよ。で、夕方になると出掛けてってさ、朝になると帰ってくるんだ。たまに男と一緒に帰ってきたりしてね。」

「おいおい、マモ。それ、一番頼みにくいタイプじゃん。あとあと厄介になること請け合いだろ・・。」

「そんなことないよ、何度か話したことあるけど、結構いい人だよ。あ!確か、苗字、お前とおんなじ山田だよ。保証人にうってつけじゃん!」

そこかよ・・と思いつつ、他に頼れる人はいませんでしたので、山田さんを訪ねることにしました。
当時のマモの下宿は、相鉄線星川駅から歩いて10分ほどの木造2階建てアパート。
トイレは汲み取り式、風呂なしの1Kで、家賃は15,000円。
そこにひとりで住んでて、毎日朝帰りの女性、山田さん・・。
やたらどんよりしたのを覚えています。

「すみません、隣の部屋の学生です。お願いがあって来ました。」

ドアをノックすると、中から人の気配がしました。
マモの言う通り、真っ昼間ですが在宅のようです。

「突然すみません、コイツ、大学の友達なんすけど、無免許運転で捕まっちゃって・・。この保証人の欄に20歳以上の人の印鑑が必要なんですが、お願いできないでしょうか?」

「まあ、大変ね。どれどれ・・。でも、アタシでいいのかしら・・。あら?山田君っていうの?私も山田。グーゼンね!」

驚くほどあっけなく、保証人の印鑑がいただけました。
マモの隣人は、心温かで、人情に厚く、ちょっぴりガードの甘い大人の女性でした。

それから数ヶ月経ち、運転免許証を取得することになりました。
無免許運転で捕まっている前歴がありますから、何らかのペナルティーが課せられるであろうと覚悟していましたが、何の障害もなく、当時はすんなりと交付されました。

そして、先日、通算何度目になるのか分かりませんが、免許更新を知らせる通知が届きました。
圧着はがきを広げてビックリ。
なんと、ゴールド免許の対象になっていました。
自分史上、初の快挙です。

免許取得以来、スピード違反では一度も検挙されたことがない、というのが私のプチ自慢ですが、ゴールド免許には縁がありませんでした。

前回の更新時は、その1ヶ月前に、路上のパーキングメーターに67分駐車したとして、わずか7分オーバーで駐車違反の切符を切られました。

その悔しい駐車違反を最後に、今日まで無事故無違反を積み重ね、遂にゴールド免許にたどり着きました。
ほぼ毎日運転している中で獲得したゴールドだから価値がある!と、ひとり悦に入っています。

37年を要して、ようやく優良運転手の証を手に入れることができました。
あの後、ほどなくして転居された山田さんに、改めて謝意を表したいと思います。

119 雲外蒼天

近年、神社参拝が趣味となりましたが、きっかけは、京都をひとりで旅した際に、ひょんなことから書き置きの御朱印をいただいたことでした。
近年は、御朱印ガールに代表されるファンの増加により「趣味は神社巡りです」と公言しても、ニッチな趣味だとは捉えられなくなってきました。

スタンプラリー化している現状を嘆く声も多い反面、参拝客の増加や客層の変化を歓迎している神社も少なくありません。
その証拠に、オリジナル御朱印帳や御朱印帳袋を販売する神社が増えたり、キティちゃんとコラボした御朱印帳を発行するなど、神社サイドも実態に合わせた対応を見せています。

その一方で、御朱印の授与を取りやめた神社もあります。
虎ノ門にある西久保八幡神社は、「昨今の現状を鑑み、当面の間御朱印の授与を中止いたします」とホームページに掲載しています。
無礼な参拝者がいたのでしょうか・・。
非常に残念です。

私は、神社参拝を趣味としてから、知識を深めようと努めてきました。
一昨年受検した「神社検定試験」がその象徴ですが、取得したのは最も低い参級です。
さらに上を目指さなくてはならないのですが、ひとつ大きな障害があります。

それは「数学は好きだけど歴史が苦手な文系」という私の性癖です。
学生時代、解を導き出す数学には歯応えとやり甲斐を感じたのですが、歴史なんて暗記科目でつまらないと、生意気な考えを持っていました。
歴史の重要さ、奥深さを知ったものの、時既に遅し・・。
歴史嫌いが将来の趣味に陰を落とすとは、予想だにしませんでした。

しかし、ここを克服しないことには、知識の上積みも神社検定の弐級も付いてきません。
学ぶことは楽しいのですが、苦手ジャンルの知識を蓄えることは、加齢とともに、非常に困難を極めています。

老け込み防止のため、そして、自らを鼓舞するため、検定試験に挑戦する意気込みだけは持ち続けています。
が、今年6月の神社検定試験は、見送りました・・。
そして漢字検定は、準一級のテキストを見て、その難しさに尻込みし、諦めの境地です・・。

ただ、京都検定の試験が年内にまだ残っています。
試験日は、2017年12月10日です。

京都検定には以前から関心を持っており、公式テキストは既に持っています。
ここ3年の3級合格率は、50%前後。
そして、今年の3級の公開テーマは「京都駅界隈」。

ん・・、どうしようか・・。

118 機略縦横

私の義母はとても信心深い人で、毎年決まって参拝する寺社が複数あります。
その一つが寒川神社で、もう20年も前から毎年訪れているようです。
寒川さんですから、目的は他でも無い、八方除け祈願です。

そして、義母は自分だけでなく、私個人と会社の分も御祈願してきてくれますので、有難いことに、我が家には毎年寒川神社のお札があります。
かねてより人任せではなく自ら出向かなければと思いつつ、これまで機会を逸していましたが、遅まきながら、この度カミさんと参拝してまいりました。

寒川神社三之鳥居

最寄り駅のJR相模線宮山駅から、長閑な風景の中を歩くこと6〜7分。
左側に立派な鳥居が見えてきたので、てっきり一之鳥居かと思ったら、神池橋の奥にあるこの鳥居は三之鳥居だそうで、一之鳥居は、境内の南、およそ1kmの地点にあるとか・・。
流石は延喜式にも載る東国有数の古社だけあって、敷地は広大です。
一礼して、この三之鳥居から神域へ入り、手順に則ってひと通り参拝を済ませました。

もちろん、御朱印もいただきました。
併せて御朱印帳も購入しようと思ったところ、社務所ではなく売店で扱っていると知り、行ってみると、その種類の多さに驚きました。
そして、かなり迷った末に、表紙が杉の木製の御朱印帳(写真一番手前)と、紫色の御朱印帳袋を購入しました。

寒川神社売店(許可を得て撮影しています)

参拝をしていると、隅々まで清掃され、とても手入れが行き届いた神社であることに気付きます。
そこが歴史ある相模國一之宮の品格なのでしょう。
天気に恵まれたこともあって、清々しく厳かな境内は、穏やかで心地よい時間を与えてくれました。

ただ、ご本殿の奥にある神獄山神苑を見ることはできませんでした。
というのも、ここに入苑できるのは、各種御祈願・大祓祈願申込をされた方だけ。
「難波の小池」を中心としたこの神苑は、池泉回遊式の日本庭園が広がり、茶屋や資料館が併設されているとか・・。

歩くのが徐々にしんどくなってきている義母を連れて、来年は車で来ようかと思っています。
そして、私も八方除御祈願をし、神苑を拝見したいと思っています。

ところで・・。
方位によって生じる災いを取り除く方除け(ほうよけ)は、多くの神社で行っていますが、あらゆる災いを取り除く「八方除け」となると、その守護神は全国広しと言えど、ここ寒川神社だけです。
八方除の御祈願については、公式サイトに掲載されています。
(引用:http://samukawajinjya.jp/kigan/ki01.html)

地相・家相・方位・日柄等から起こるあらゆる災いを除く御祈願が八方除です。
例えば、人の住居というものは、古くから南向きの陽当たりの良い場所に建てられるなど、先人の知恵によって快適な営みの方法が試みられました。しかし、現代社会では、経済的にも、家相学上あるいは地理的条件の上からも必ずしも種々の条件にかなった建築は容易でありません。まして既設の住宅、また移転上の地相家相などにいちいちこだわっていられないのが現実です。
こうした事情から方位などによる祟り、障りなどを避けられないことがあります。また月によるもの、日によるものがあると考えられ、これら普請造作、移転、旅行などによって知らず知らずに、また知りながらも方位を犯しつつ日常生活の中で事に当らねばならぬことが多くあります。
こうした折に、寒川大明神の、広大無辺にあらたかなる八方除の御神徳を頂いて、一切の災厄を祓い除きいただき、皆様が明朗快活な日々を送り、家内安全、福徳円満、商売繁盛を招かれますよう御祈願するのが、八方除の御祈願です。

なるほど、シンプルでわかりやすい説明です。
「広大無辺にあらたかなる御神徳」という表現が、琴線に触れますね。
大難は小難、小難は無難に過ごすために、来たる年は、自ら八方除の御祈願を受けたい思いが、さらに強まりました。

また、同サイトには、数の神秘「八」というタイトルのページもあります。
これもなかなか興味深い内容でした。
(引用:http://samukawajinjya.jp/houi/houi07.html)

「八」は日本人が好む数字であり、最高位を占める数です。
八を「末広がり」といって喜ぶのは、裾が開いた形からくるイメージです。八を数字「8」で表し、8を横にすると∞となり、西洋では宇宙にすえひろがりに広がる、無限という意味にもなります。
八という数字は、中国では古くより非常に重大な意味をもっていました。紀元前十世紀ごろまとめられた易経における八卦に関係していて、宇宙のすべては、陰と陽を八卦で組み合わせることによって生まれるとされています。
わが国最初の書物「古事記」、また「日本書紀」には、八へのこだわりが多く見られます。大八島、八尋殿、八咫烏、八十建,八衢、八重雲・・・、三種の神器は、八咫鏡・八十握剣、八坂瓊勾玉と、鏡、剣、玉にみな八の形容詞を冠らせています。八は多大の意の日本における聖数であり、呪力のある数といえるのです。
“八方除”という言葉は、八方位を基本として吉凶を判断することから八という数字が用いられています。
しかしそれだけではなく、八方除のご祈願が私たちを目に見えない力でお守りくださるという神秘的で崇高なものであるという意味も込められていると考えることができるでしょう。

これを読んだとき、昭和52年の弊社創立の際、父が会社の電話番号について話していたのを思い出しました。

「電話番号の下4桁を、8088か7077で迷ったが、末広がりの8を選んだ。」

末広がり?
ナニソレ?
選ぶならラッキーセブンでしょ、普通。

当時15歳の私は、そう感じました。
しかし・・、日本人にとって「8」は聖なる数字なのですね。
父の判断は、正しかったようです。

その後、東京03局内の番号が8桁になり、弊社は中央区から江東区へ移転し、現在、弊社の電話番号には「8」が5つ含まれています。

多ければいいというものではありませんが、寒川大明神のご加護に与りながら、頭動けば尾も動くの如く、日々仕事に励んでいきたいと思います。

117 愉快適悦

都内で一番大きな本屋さんはどこだろう・・。

先日、家族とそんな話になり、ネットで検索したところ、池袋のジュンク堂だと知りました。
売場面積は、なんと2,000坪!
私は神保町の三省堂書店が好きなのですが、調べてみるとここは1,000坪。
さすが東京一となると桁外れの広さですね。

池袋といえば高校時代によく遊んだ場所ですが、40年前にジュンク堂は存在しませんでした。
とはいえ、池袋にジュンク堂が出来てこの夏で丸20年、2,000坪に増床したのも2001年のことですから、何を今更という感は否めません。
しかし、他店舗も含め、私はこれまでジュンク堂という書店に一度も足を運んだことがありませんでしたので、セガレを誘って今日行ってみることにしました。

久しぶりに池袋駅に降り立ち、東口から外へ出ると、高校時代が懐かしく思い出されました。

あの路地の奥にある喫茶店が、みんなとの溜まり場だったなあ…。
十条の某高校の学生に絡まれたのは、あの辺りだなあ…。
遅刻常習犯のK君を駅前で待っていたら、自衛隊に入隊しないかとスカウトされたっけなあ…。

少しノスタルジックな思いを抱きつつ、目的地に着くと、まもなく開店の10時になりました。
既に開店を待っていた20人ほどと一緒に店内に入り、セガレはミステリーの文庫本コーナーへ、私はノンフィクションを探しに行きました。

初めて来店した私にとって、広い店内を把握するのは一苦労でしたが、「ノンフィクション」が「社会評論」と表記されていたので、なおさら時間を要しました。
そして、ようやく目的地にたどり着くと、その書籍の多さは驚きを超えて、感動的光景でした。

肩から提げていたバッグを床に置き、棚の上から下まで隈無くチェックしました。
30分以上夢中になっていたでしょうか。
ふと我に返って携帯を見ると、精算を済ませたセガレから、5回も着信がありました・・。

一旦書店を後にし、インド料理店でお腹を満たしてから、再びジュンク堂へ戻りました。
結局、午前と午後、セガレと2人合わせて15冊、17,000円ほど買い込みました。

私が購入したのは・・、
☆絞首刑
☆日本殺人巡礼
☆免田栄獄中ノート
☆闇サイト殺人事件の遺言
☆女性死刑囚 十四人の黒い履歴書
☆罠 埼玉愛犬家殺人事件は日本犯罪史上最大級の大量殺人だった!等々・・。

「父さんの買う本は相変わらず不気味だなあ・・」と、セガレに痛いところを突かれました。
神社の本や語彙力を伸ばす本も買ったんですけどね・・。

大きな書店でお互い好みの本を買い、昼には大好きなサグチキンカレーを食べ、買い物が済んだ後はスターバックスで新商品のフラペチーノを飲み・・。
気温も落ち着いた好天の日曜日、親子で楽しい時間を過ごすことができました。

✳︎開店20周年記念カバーだそうです。