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220 敲氷求火

「日米首脳会談」のように、国名を漢字一文字で表すことがあります。
「米」=アメリカ、「英」=イギリス、「仏」=フランス、等々。
小学校高学年頃、なんて面白いんだろうと興味を抱きました。

「比」=フィリピン
「印」=インド
「加」=カナダ

なるほどなるほど。

「越」=ベトナム
「馬」=マレーシア
「蘭」=オランダ

すごいすごい。

「墨」=メキシコ
「秘」=ペルー
「丹」=デンマーク

このあたりで、なんで?? とやや興醒めした記憶があります。

今、外国人の名前に漢字をあてて作るハンコが人気になっていると、先日、テレビのニュースが報じていました。
ビアンカさんなら「美安佳」、オリバーさんなら「雄理場」といった具合です。
(その昔、暴走族やヤンキーの間で流行した「夜露死苦」とか「愛羅武勇」を思い出してしまいます)

テレワークによって電子印鑑の必要性が増し、ハンコ離れが進む世の中にあって、インバウンドに狙いを絞って売り出したところ、人気を集めているようです。

この企画を考案したお店は、外国人に漢字の意味が記載された紙を見せながら、どの漢字を当て嵌めるか注文主と一緒に決めていき、出来上がったハンコと一緒に、漢字の意味に関する資料も渡すそうです。
これなら、お土産として国に持ち帰っても、どうしてこの漢字にしたのかキチンと説明ができますね。

私には、漢字にまつわる苦い思い出があります。

大学4年の夏、フロリダの英語学校に1ヶ月だけ在籍していた時のこと。
そこは、英語以外を母国語とする国の人が英語を学ぶ場所で、私のクラスには、フランス、サウジアラビア、イラン、ペルー、韓国など、様々な国の若者が在籍していました。

週に一度、自分の国の紹介をする時間がありました。
もちろん、英語での発表です。
私は「漢字」をクラスの仲間に教えてあげようと決め、周到に準備をしました。

日本語で原稿を作るのも大変ですが、すべてを英語で伝える訳ですから、一大事です。
ましてやインターネットのない時代。
辞書を片手に多くの時間を掛けて、英訳しました。

そして、当日。
「今日は、MASAMIが日本について発表してくれます」と紹介され、十数人を前にスピーチを始めました。

アメリカ人は、わずか26文字しか使わないけれど、アタマのいい日本人は何万個と存在する漢字を使いこなしています。

さんずい、きへん、くさかんむり、くにがまえ・・・・、多くの「部首」があります。
さんずいは「海」「湖」「涙」など水に関する漢字が多く、くさかんむりは「草」「苗」「蓮」など草花に関する漢字の集まりです。

因みに私の名前は漢字で「山田雅己」と書きます。
この漢字を1文字ずつ英語に訳すと、「Mountain Rice field Brilliant Me」となります。
今、日本では「Small Fountain Today Child」って名前の歌手が人気です。

漢字の誕生にもいろいろと意味があります。
木がたくさん集まると「森」になり、田んぼで力仕事をしているのは「男」、おんなが古くなると「姑(しゅうとめ」で、波のようにシワができると「婆(ばばあ)」になるんだぞー。

どうだい、面白いだろ、なんてひとり悦に入ってしゃべっていたら、一番後ろに座っていたいつも寡黙なペルー人が、普段は見せたことのない興奮した表情で声を上げました。

「そんな話よりさ、日本にはNINJAがいるんだろ。塀を一気に跳び越えられるって、ホントなのかい??!!」

「マジか! おい、日本人はそんなにジャンプできるのか?」(by Iranian)

「スゲー! 今すぐ外でやって見せてくれ!」(by Saudi Arabian)

おいおい、ペルーの友よ・・。
キミのおかげで、渾身の原稿は半分以上が紙くずとなりました。

176 偏旁冠脚

そろそろ7月が終わろうとしていますが、東京では雨の日が続いています。

最も遅い梅雨明けはいつだったのだろうと調べてみると、気象庁のサイト内に「昭和26年(1951年)以降の梅雨入りと梅雨明け」というページがありました。(https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/baiu/kako_baiu09.html)

それによると、昭和57年(1982年)の「8月4日」が最も遅かったようです。

38年前の夏ですね。
私は、大学3年生でした。
ひとりでロサンゼルスへ旅立ったのは、梅雨明けの数日後だったんだなと、学生時代に想いを馳せながらサイトを見ていると、1993年だけ日付が未掲載になっていることに気づきました。

注釈によると「梅雨入り梅雨明けの時期がはっきりしなかったため、特定しなかった場合」とのこと。
こんな年もあったんですね。

今朝、テレビの天気予報を見ていると、今日の雨のポイントは「疎雨」と紹介されていました。
「そう」と読み、「疎らに降る雨」という意味だそうです。
いい言葉だなあと感じながら、雨がつく熟語を書き出してみたくなりました。

梅雨、大雨、長雨、雷雨、風雨、雨季、雨傘、雨靴、雨具、雨天、雨音、雨粒、雨男、雨女、穀雨、雨水、雨樋、時雨・・。

最後の4つは、我ながら良く浮かんだものだと悦に入りながら漢和辞典を開くと、まだまだ数え切れないほど掲載されていました。

驟雨、膏雨1)、陰雨2)、白雨、法雨、喜雨3)、雨意、雨花、雨脚、雨矢、雨施、雨集、雨師、雨飛、雨潦4)、雨涙・・。

1)膏雨:農作物をうるおし、生育を助ける雨。
2)陰雨:しとしとと降りつづく陰気な雨。
3)喜雨:夏の土用の頃、日照りが長く続いて旱ばつ状態となっている時にようやく降る恵みの雨のこと
4)雨潦:雨が降ってできた水たまり。

こういう語彙力を身に付けることは、文字を生業にする者にとって、表現力が向上しますね。

「雨」を調べたついでに、「あめかんむり」のページも読み進めると、大変興味深く、夢中になってしまいました。

雪、雫、雰、電、雷、零、需、震、霊、霞、霜、霧、露・・。
上記の見慣れたもの以外に、興味深い漢字を見つけたのです。

  • 霖:【りん】ながあめ。3日以上降り続く雨。
  • 霪:【いん】ながあめ。10日以上降り続く雨。「霖霪(りんいん)」も長雨の意味。
  • 霤:【りゅう】あまだれ。屋根から落ちる雨水。
  • 雩:【う】あまごい。雨を天に祈る祭り。また、あまごいをする。
  • 霰:【さん、せん】あられ。空中の水蒸気や雨滴が凍って降ってくる粒状の氷。
  • 雹:【ひょう】ひょう。雷雨などに伴って降る氷のかたまり。あられの大きなものをひょうという。
  • 霙:【えい、よう】みぞれ。雨混じりの雪
  • 霏:【ひ】雪や雨の、音もなく降りしきる様子。
  • 霑:【てん】うるおう。うるおす。
  • 靄:【あい】もや、かすみ。地表近くの大気中に霧や水蒸気の立ちこめる現象。靄然はかすみのたなびく様子。
  • 霓:【げい】にじ(虹)。雨上がりの空にかかるにじ。古代には、にじにも雄雌があると考え、雄(鮮明なもの)を虹(コウ)、雌(薄い光のもの)を霓(ゲイ)といった。

漢字は奥が深く、勉強するほど楽しいですね。
漢検準一級にもう一度トライしたいのですが、60手前のアタマは、知識が留まることなくサラサラと流れ落ちるので、厳しい戦いになりそうです。

153 緊褌一番

今日は「平成」最後の日。
全国的に雨模様となりましたが、退位される陛下への涙雨でしょうか。

明日、新元号「令和」が施行されますが、この新しい元号には好意的な反応が多いそうです。
安倍首相としては、ホッとしたのではないでしょうか。

万保(ばんぽう)
万和(ばんな)
広至(こうし)
久化(きゅうか)
英弘(えいこう)

ほかにこれらが候補に挙がっていたと報じられていますが、令和が最も良い響きですね。

「令」という漢字が元号に用いられたのは初めてだそうで、「和」は20回目の使用とのことです。

各々の漢字の意味を、手元の漢和辞典で調べてみました。

令:命令する、おきて、きまり、おしえ、良き、善い、立派な・・
和:やわらぐ、なごむ、安らか、程良い、調う・・

なるほど。
元号に相応しい漢字です。

選ばれし学者は、然るべき字を提案しているんですね。

漢字といえば、昨年秋、漢検準一級試験に挑戦し、無残に敗北しました。

次回のテストはいつだろうか・・とサイトを見ていたところ、私が受けた「平成30年度第2回試験」に関するデータが掲載されていることに気付きました。

受検者数 4,779人
合格者     368人
合格率       7.7%

合格者は、実に13人に1人。
狭き門でした。
健全な理由とは言えないかも知れませんが、不合格を消化できた感じがしました。

ただ、負け犬のままでいるのも悔しいので、もう一度立ち向かうことに決めました。

ただ、受検するとなると、毎日勉強しなくて合格は覚束ないですし、空いた時間のほぼ全てを漢字の勉強に充てるくらいの向学心が必要です。

当初の予定では、6月16日の検定を受けようと思っていました。
しかし、4月になっても年度末同様の忙しさが続いており、なかなか漢字と向き合う時間が取れませんでした。

10連休を機に、とも考えましたが、現実的には、10月開催の2019年度第2回試験を目指すことになりそうです。

先に延ばせば延ばすほど、脳の老化は進むので、早めに再チャレンジしたいと思っています。

143 磨穿鉄硯

漢字検定の受検日が来週日曜日に迫りました。
そして、昨日、受検票が届きました。
いよいよ近づいてきたな、という思いです。

今日の日中、母親に来週が漢検の受検日であることをメールで伝えると、

「中年のおっさん(笑)頑張れ〜★」

と返信がありました。
因みに★は笑顔の絵文字。

「(笑)」があったり、
「〜」があったり、
絵文字があったり、
81歳の老人にしては、メールが上手です。

今週が検定前最後の週末となりますが、幸いなことに月曜日が祝日です。
この三連休は、最後の詰めの勉強に励みたいと思っています。

週末にやる、と決めている本試験型問題集の今月の得点は、172点、170点、161点。
合格圏内ではありますが、あくまで模擬テストですから、もう少し上乗せしておきたいです。
「とめ」「はね」「はらい」などで減点されるおそれがありますから・・。

その模擬テスト、採点は専らセガレに頼んでいます。
何故なら、自分では気づかない誤りを発見してくれることがあるからです。

先日、私の書いた「藪」という文字に「×」が付いていました。
何が違うのか確認したところ、左下の「女」の上が「串」になっているから「×」だと。

「おいおい、そこ「串」じゃなくて、どう書くっていうんだい?」

「横棒が1本足りないよ( -_-)」

あまりの衝撃で言葉を失いました・・。
何十年も書き違えていました・・。

以来、採点はセガレに任せることにした訳です。

そういえば、セガレの親友のMくんは、6月に準一級に挑戦したものの、合格点に10点ほど足りずに涙を飲んだそうです。

よし、ここは腐りかけた脳ミソを奮い立たせて、中学3年生の先を越してやりましょうかね。

その前に・・、
失格にならぬよう、受検票に写真を貼らないと・・。

141 一念発起

漢検(日本漢字能力検定)に初めて臨んだのは、かれこれ6〜7年前でしょうか。
受検したのは準2級でした。
7割解ければ合格でしたし、これでも文字を生業とする身ですので、難なく合格を勝ち取ることができました。

しかし、その後に挑戦した2級は、そう簡単ではありませんでした。
問題の難易度が上がるだけでなく、8割の正答率が求められるからです。
この1割、即ち20点が、大きな壁となりました。
毎日テキストと向き合ったというほどではありませんが、傾向と対策をそこそこ練った結果、175点で合格を果たしました。

あれから5年。

次なるステージは準1級ということになるのですが、正直言うと、逃げ続けてきました。
問題の難しさに、尻込みしていたのです。

2級と準1級の難易度の差は、準2級と2級の差の比ではありません。
受検するには、それなりの覚悟が必要です。

しかし、今年の7月上旬、漢検準1級にチャレンジする決意を固めました。

こっそり始めると、人知れず辞めることもできるので、グループラインで仲間に宣言し、引っ込みがつかないようにしました。

一度は諦めた準1級。

擾、鼎、禦、翫、苒、閏、豎・・。
私にとって、初めて見る漢字が頻出します。
読むことさえままなりません・・。

犬牙相制、中原逐鹿、彫氷画脂、蓋棺事定、只管打坐、繋風捕影・・。
四文字熟語も難しいので、3冊の単語帳にびっしり書き込み、日々睨めっこしています。

そういえば、最近、単語帳はアプリに姿を変えているそうです。
ここでもペーパーレス。
ちょっとイヤですね。

そして、3週間ほど前、対策はまだまだ中途でしたが、実力を把握するために過去問を解いてみました。
ネットにも掲載されている、昨年出題された問題です。

結果は、114点でした。
あと46点足りません・・。

しかし、その後も勉強を積み重ねていくと、少しずつ点数が伴ってきました。
先週末には、やや易しい部類の模擬テストで162点を取ることができました。

さりとて、準一級試験の合格率を見ると、かなり厳しい数字が並んでいます。
2015年から2017年までの結果は以下の通りです。

2015年度 第1回  14.8%
2015年度 第2回  9.0%
2015年度 第3回  12.8%

2016年度 第1回  25.1%
2016年度 第2回  15.5%
2016年度 第3回  15.9%

2017年度 第1回 16.3%
2017年度 第2回  22.6%
2017年度 第3回  9.2%

最高でも4人に1人。
平均15.7%ですから、6人に1人です。
文字通り狭き門です。

サイトで調べてみると、模擬テストで9割以上正解できるようにしておかないと、合格は覚束ないとのこと・・。
まだまだ努力が必要です。

ただ、何歳になっても「知らないことを知る」のは楽しいですね。
人間は死ぬまで勉強だ、という言葉は、正に的確だ思います。

最近は、漢検の勉強が、少し楽しくなってきました。
5年間も避けていたことを後悔するとともに、新しいことに挑戦できる幸せを感じています。

私の尊敬する大先輩の言葉「頑張らないけど諦めない」を思い出しつつ、ちょうど1ヶ月後の試験に向けて、楽しく勉強していきたいと思っています。

083 天潢之派

平成28年10月27日、三笠宮崇仁親王が100歳で薨去されました。
謹んで哀悼の意を表します。

このニュースが報道されたとき、ほとんどのメディアが「薨去」と報じました。
確か、昭和天皇が亡くなられた際は「崩御」と報じられていたはず‥‥。
なぜ表現が異なるのか、ちょっと調べてみました。

崩御(ほうぎょ)
日本の天皇陛下をはじめ、皇帝、国王、太皇太后、皇太后、皇后、その他君主などが亡くなられたとき

薨御(こうぎょ)
皇太子や大臣が亡くなられたとき

薨去(こうきょ)
皇太子妃、親王、親王妃、内親王、または、*位階が三位(正三位・従三位)以上の方が亡くなられたとき

卒去(そっきょ、しゅっきょ) 王、女王、または、位階が四位(正四位・従四位)、五位(正五位・従五位)以上の方が 亡くなられたとき

*位階とは、長く官職にあった者や特に功績のあった者など付与される栄典の一つで、
第二次世界大戦以降は、故人にのみ与えられています。

これはなかなか難しいですね‥‥。

死去・逝去・永眠・他界・鬼籍に入る。
私のボキャブラリーはこの5つくらいでしたが、どれも皇室には使用しないんですね。
しかも、身分によって使い分けなければいけないところが、非常にデリケートだと感じます。
宮内庁のスタッフはこれら難解な用語がすべて頭に入っているとしたら、恐れ入りますね。

その宮内庁のホームページには「用語集」が掲載されています。
これもなかなかヘビーでしたが、とても興味深い内容でしたので、一部をご紹介します(http://www.kunaicho.go.jp/word/)。

・行幸(ぎょうこう)天皇が外出されること
・還幸(かんこう) 天皇が行幸先からお帰りになること

・行啓(ぎょうけい)皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃が外出されること。
・還啓(かんけい) 皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃が行啓先からお帰りになること。

・行幸啓(ぎょうこうけい)天皇・皇后がご一緒に外出されること
・還幸啓(かんこうけい) 天皇・皇后がご一緒に行幸啓先からお帰りになること。

おそらく、「幸」や「敬」には皇族が外出されるという意味があるのでしょうね。
私の持っている漢和辞典には、掲載されていませんでしたが‥‥。

いずれにしろ、こういった使い分けが理解できたら、新聞記事が楽しくなるかも知れません。
眞子様や佳子様、愛子様がご結婚される際には、目新しい言葉が紙面を飾るでしょうから。
ちょっと勉強してみようと思っています。

【余談】
「鬼籍に入る」は、「はいる」ではなく、「きせきにいる」と読むのが正解です。

077 魯魚亥豕

魯魚亥豕(ろぎょがいし)。
字形が似ていて、書き誤りやすい文字のことを指します。

私の名前は「雅己」と書きますが、この「」は少ない画数の割に、厄介な漢字です。
」「」「」と似た字が3つあります。
三画目の書き始めが上だったり下だったり、挙げ句に真ん中もあるので面倒なのです。

因みにこの3つの漢字の読み方は、各々以下の通りです。(出典:http://kanji.jitenon.jp/)
(音読み)こ、き(訓読み)おのれ、つちのと
(音読み)い  (訓読み)すで(に)、や(む)、のみ、はなは(だ)
(音読み)し  (訓読み)

昔の人はこれらを区別して覚える工夫をしていたようです。
上記の読み方を念頭に置き、下の文を解釈してみて下さい。

こきの声、おのれつちのと下につき、いすでは半ば、しみは皆つく

おのれは下に、は上に、すでに・やむ・のみ中ほどにつく

先人たちはすこぶる風流ですね。

こうしてみると「み」と読ませるためには「」と書くべきなのかも知れません。
ひらがなの「こ」は、「」の草書体だそうですし・・。

ただ、私と同じパターンも結構見受けられます。
元読売ジャイアンツの投手・槙原寛さんは「ひろみ」。
タレントの松本伊代さんのご主人・ヒロミさんの本名は小園浩と書いて「ひろみ」。
元・光GENJIの諸星和さんは「かずみ」。

何故、こうしたことが起こったのでしょうか?
」は常用漢字ですが、「」は常用漢字でないことが要因なのでしょうか?

ネットには面白い意見もありました(投稿者不明)。

」には「自分」という意味があります。
「自ら」の語源は「身・づ・から」で、「実践躬行」の「躬」も「み」と読みます。
つまり「」は「自分自身」という意味で「み」と読めるのです。

ん・・、結局、理論的に説明はできません・・。

なお、私の父は克(かつみ)といいます。
ちょっとあり得ない気もするのですが「」です。
聞いたところでは、戸籍と住民票と保険証の字が全部異なっていたそうで、戸籍に記載されている漢字が正しいとの原則に則り、「」に統一したとか。
昔は全て手書きでしょうから、この類いの混乱は珍しくないと思います。

こんなにややこしい漢字ですから、私も、日常的に間違いに遭遇します。
「雅」と書かれることには、かなり慣れました。

しかし、友人の一人が、毎年年賀状の宛名を「雅美」と印字してきます。
それから以前、ゴルフコンペの出走表に「雅光」と書かれたことがあります。
この2件は、「」とか「」とかの問題ではないですからね。

特に小学校の友人のN君。
長い付き合いなんだから、いい加減「雅美」は直して欲しいですね(笑)。

072 遺風残香

今日は土用の丑の日、ウナギを食べることで有名な日です。
そもそも土用って何だろうと、ふと疑問に思いました。

調べてみると、「土用」とは、立春、立夏、立秋、立冬の前、約18日の期間を指すそうです。
即ち、今は土用というと一般的に夏を指しますが、本当は四季全てに存在するのです。

因みに、今年の立秋は8月7日なので、7月19日~8月6日が夏の土用となります。
この18日間の中で、12日周期で割り当てられている十二支のうち丑の日に該当する日、この日が「土用の丑の日」になるのだそうです。

今年は7月30日だけですが、18÷12=1.5なので、土用の丑の日は1度だけと決まってはいません。
並び具合によっては、土用のはじめと終わりに2度丑の日が来る訳です。
一の丑、二の丑と区別して呼ばれるのだそうです。

夏バテ防止のためにウナギを食べるという習慣が定着したのは、江戸時代中後期になってから。
売り上げ不振に悩んだウナギ屋から相談を受けた平賀源内が、「今日は土用の丑の日」と書いた張り紙を出して宣伝したところ、店が繁盛したと言われています(諸説あり)。
当時は、丑の日にちなんで「う」から始まる食べ物を摂るとカラダに良いとの言い伝えがあり、ウナギが合致したと考えられます。

ウナギは夏が旬だと思っている人、多いのではないでしょうか。
私もその一人でした・・。
天然ウナギは、秋から冬にかけてが、旬なのだそうです。

それから「土曜の丑の日」は間違いです、なんて漢字の問題、ありそうですね。
因みに、今年に限っては、まんざら間違いではないような気もしますが・・。

063 大同小異

銀杏と公孫樹についての駄文を書いていたら、卵と玉子の違いに、突如興味が湧きました。
ネットで検索すると、関連サイトがたくさんありました。

どこから引用しようか迷いましたが、国内の鶏卵といえばここ「JA全農たまご株式会社」のオフィシャルサイトにある、たまご通信の記事からご紹介したいと思います。
(http://www.jz-tamago.co.jp)

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本来は、
◎生物学的な意味での「たまご」=卵
◎食材としての「たまご」=玉子
と使い分けがなされています。

生物学な意味での「たまご」とは、子孫を残すために孵化して育つことを前提としたものを指し、魚や虫のたまごも「卵」と書きます。

それに対し、「玉子」は食用を目的としたたまごを指します。
特に鳥類のたまごを指すようです。

つまり、大きな概念として「卵」があり、その中で料理などに使用される鳥類のたまごの総称が「たまご」と表現されます。

現在では、本来は、
◎生の状態のものを「卵」
◎調理されたものを「玉子」
と書くのが一般的なようです。

〈中略〉

明確な基準はないようですが、「卵」の方が広い概念を持ち非常に便利な言葉なようです。
なんとなくわかっていただけたでしょうか・・?

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う〜ん、なんとなくわかったような気がします(笑)。 

生たまごは「生卵」、たまご丼は「玉子丼」です。

生の状態は「卵」、調理されたものは「玉子」という説明通りですね。

たまごを比喩的に用いる場合、例えば「医者のたまご」は「医者の卵」と書きますね。
孵化に例えている訳なので、これも理に適っています。

でも、ゆでたまごは「ゆで卵」、温泉たまごは「温泉卵」ですよね。
調理されたものは「玉子」であるならば「ゆで玉子」「温泉玉子」のような気もしますが・・。

だんだんわからなくなってきたぞ・・。
じゃあ「鮨」と「寿司」はどうなってんだ・・。
寝られなくなりそうだ・・。

062 万世不刊

急ぎの仕事を片付けるため、昨日は朝7:30に出社しました。
昼には一段落したので、カフェでブログを書きながら昼食を済ませたのですが、青空に誘われ、葛飾八幡宮へ寄り道することにしました。

千葉県市川市にある同社は、寛平年間(889〜898年)に京都の石清水八幡宮を勧請して
建立したと伝えられています。そう、先日念願の参拝が叶った、あの石清水八幡宮です。

ここに惹かれたのは、樹齢1,200年とも言われる大銀杏の存在です。
多数の樹幹が寄り集まって、あたかも根元から1本の大樹が伸びているように見えることから、「千本公孫樹」と名付けられたこの御神木。
実際目の当たりにしてみると、天然記念物に相応しい、想像以上の大木でした。
秋になって葉が色付くと、また違った姿を見せてくれるのでしょう。

千本公孫樹

ところで、「千本公孫樹」の読み、わかりますか?
「千本」はそのまんま「せんぼん」です。

問題は「公孫樹」・・。
当たり前ですが「こうそんじゅ」ではありません。

これで「いちょう」と読むのだそうです。
そりゃないだろ!とスマホに入力してみると、普通に変換されました(^_^;)。
ワタクシ、「銀杏」以外の「いちょう」は「胃腸」しか知りませんでした。

調べてみると・・・・、

「銀杏」は、実の形がアンズに似て殻が銀白であることに由来し、「公孫樹」は、植樹した後、孫の代になって実が食べられると意味による。

のだそうです。(語源由来辞典より http://gogen-allguide.com/)
まだまだ勉強が足りません・・。漢字は奥が深いです。

なお、葛飾八幡宮の千本公孫樹は、オリジナル御朱印帳の表紙にも描かれています。
紺の地色に金の刺繍が映える、大変綺麗なこの御朱印帳は、社務所にて1,000円で購入できます。

葛飾八幡宮御朱印帳