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224 刻露清秀

有難いことに、ここ1ヶ月、とても忙しい日々を過ごしています。
勤労感謝の日も終日出勤し、その後の土日も処理しなければならない仕事をかなり抱えていました。
しかし、この週末はカミさんと京都へ紅葉見物に行く計画を、半年前から立てていたのでした。

ところが、カミさんはカミさんで、母親が先々週突然入院する事態となり、そのお世話に追われることとなりました。
ドタキャンか強行か、直前まで迷いましたが、「無理せず、欲張らず」を掲げて、予定通り上洛いたしました。

初日は、お気に入りのお蕎麦屋さんで昼食をとったあと、毘沙門堂と安祥寺へ出向きました。
どちらも山科駅から徒歩圏内にありますが、清水寺や嵐山と違って穴場的存在なので、さほどの人混みではありませんでした。

毘沙門堂では、ポスターにもたびたび起用される「勅使門」につながる石段の参道や弁天堂周辺、晩翠園が、キレイに色づいていました。
参道は散り紅葉で真っ赤に染まる写真で有名ですが、その時期にはまだ早かったようです。

参考までに、この毘沙門堂は、ウオーカープラスの京都府の紅葉名所人気ランキングでは第6位に選ばれています。
https://koyo.walkerplus.com/ranking/ar0726/

安祥寺は普段は公開されていないお寺ですが、10月から11月にかけて、期間限定で特別拝観が行われています。

御朱印をいただく際に小銭を持ち合わせていなかったので、千円札をお渡しし、そのままお納めくださいとお願いしたところ・・・・、

「ささやかですが、絵はがきをお持ちください。明日は日曜日なのですが、ほかのお寺のイベントに参加するため、今日が最後の拝観日なんですよ。この時間ですから、お二人が今年最後の参拝者かも知れませんね。」

なんだかご縁を感じた参拝となりました。

2日目は、ホテルでゆっくりしたあと、穴場中の穴場、京田辺市の「一休寺」を訪れました。

正しくは酬恩庵(しゅうおんあん)といい、とんちで知られるあの一休さんが、63歳頃から88歳で亡くなられるまでの約25年間を過ごしたお寺です。

正応年間(1288〜1293年)に南浦紹明が開いた妙勝寺が前身で、その後、戦火にかかり荒廃していたものを一休和尚が再興し、師恩に報いる意味で「酬恩庵」と命名されたそうです。

京都駅から近鉄線で南へ30分ほどの新田辺駅から徒歩25分というアクセスで、近くに観光地もないことから、紅葉の見頃であっても、混雑はしていませんでした。
(我々が帰るころ、団体客がバスで訪れ、若干様相が変わっていましたが・・)

ここには一休和尚の墓所があり(下)、宮内庁が御陵墓として管理をしています。

初日の午前中は、少し不安定な空模様でしたが、総じて天候には恵まれました。
ただ、行きの新幹線はみっちり仕事、初日夜は23時過ぎまでホテルで仕事、翌朝は4時に起床してカミさんの睡眠の邪魔にならぬよう洗面所で仕事・・・・と、カミさんにはやや申し訳ない旅になってしまいました。
帰りの新幹線でもやるぞ! と張り切っていたのですが、弁当を食べ終え、PCをオンにしてまもなく、寝落ちしてしまいました。
体力がほとんどエンプティだったようです。

それでも京都の紅葉ツアーは、大いに私に鋭気を与えてくれました。
来年も訪れることができるよう、日々仕事に精進したいと思います。

221 天佑神助

私は令和初日を京都で迎えました。
そして、令和最初の神社参拝は、伏見稲荷大社でした。
ご存知の通り、全国に数多ある稲荷社の総本宮ですので、商売を営む端くれとして、京都を訪れた際はお参りさせていただいています。

京都は外国人観光客が多いことで有名ですが、中でも伏見稲荷大社の人気は別格です。
トリップアドバイザーが発表している「外国人に人気の日本の観光スポットランキング」によると、2014年から6年連続1位だったそうです。
延々と続く千本鳥居は、日本的かつ幻想的で魅力的に映るのでしょう。

先日、仕事がひと区切りついたタイミングで、半年ぶりに参拝に訪れました。
連日体温越えの気温が続き、危険な暑さと言われている最中でしたが、まもなく上半期を終えるタイミングでもありましたので、決死の覚悟で上洛しました。

伏見稲荷さんへ到着したのは、午前6時30分。
既に太陽がギラギラ照りつけていました。
そしてこの日、予想外な出来事が3つありました。

1つめの予想外は、早朝から参拝客がたくさん訪れているかと思いきや、上の通り、案外空いていました。
猛暑のせいかな? と思いましたが、本当のことは分かりません。

2つめの予想外は、授与所が7時になっても閉まったままだったことです。
以前は6時過ぎから開いていたんだけどな・・と思いながら公式サイトを調べてみると、昨年3月にコロナ対策の一環として、以下のような決定が下されていました。

お札・お守り・おみくじ・朱印(授与所)の取扱い時間について
8:00から~17:30まで

通常対応になった、と理解すればいいですね。
8月限定の御朱印に心動かされましたが、今回は授与所が開く前に失礼することにしました。

最後の予想外は、楼門手前の両側に鎮座している、狛犬ならぬ狛狐が工事中だったことです。
見えづらいのですが、下の画像の中央にある貼り紙には、以下のように記載されていました。

眷属像の塗り替え工事を行っております。
ご迷惑をおかけ致しますが、足元にご注意のうえ、ご参拝くださいますよう、お願い致します。

最初の3文字(眷属像)は、「けんぞくぞう」と読みます。
「眷属」とは神の使いという意味ですが、サラッと読めたりするとちょっとカッコイイかも知れません。

稲荷大神にとって狐は「神使(かみのつかい)」「眷属(けんぞく)」などと呼ばれています。
熊野神社の烏や八幡神社の鳩などと同じような扱いです。

ちょっと屁理屈を申し上げると、先の狛狐という表現は、正しくありません。
狛犬は、古代インドやエジプトで、守護獣として獅子(ライオン)の像を置いたのが起源といわれ、それが中国・朝鮮半島を経て日本に伝わったことから、「高麗(高句麗)の犬」が語源であることが定説となっています。
従って、狛狐という表現は、本来の意味から逸脱しています。

難しいことは置いといて、この半年、無事に商売を営むことができたお礼ができ、少し心が落ち着きました。

商売がうまくいくかどうかは、自分の努力だけではどうにもなりません。
自分と客の間には神仏が居られることを忘れずに。

真言宗の僧侶のお言葉も心に留め、今後も仕事に邁進したいと思います。

206 九夏三伏

先日、高尾山口へ撮影に行きました。

新宿から京王線に乗ると「ベストシーズンは、春夏秋冬です。高尾山」という広告が目に入りました。
コピーライターって才能あるなあ・・と思いながら、車中は読書を楽しみました。

到着したのは午前11時少し前。
好天の週末でしたから、かなりの人出かと予想しましたが、ご覧の通り、ほとんど混雑はありませんでした。

ネットで調べてみると、紅葉の時期やゴールデンウイークには、ケーブルカーが90分もの乗車待ちになるそうです。

2007年、高尾山はミシュランガイドで星3つを獲得し、世界中の観光客が訪れるハイキング・トレッキングの名所になりました。

そして、2010年には「山ガール」という言葉が流行語大賞の候補に上がり、2016年には山の日が制定され、登山人気に拍車がかかりました。

さらに、コロナ禍にあって、登山やキャンプは感染リスクが低いアウトドアレジャーとして脚光を浴びています。

ここまで条件が揃っているのに空いていたのは、コロナの感染者急増により外出を控えた方が多かったのでしょうか・・。
それともインバウンドがいない影響なのでしょうか・・。
そもそも真夏は、登山客が少ないのでしょうか・・。

登山、キャンプ、釣り、カヌー、ヨット、シュノーケリングなどなど、アウトドアスポーツに全く縁がない私には分かりません。

撮影を終え、「髙橋家」というお蕎麦屋さんに入りました。
天保年間(1830~1843)に創業した老舗で、店内には樹齢150年余の柿の木がありました。
冷たいとろろ蕎麦は、暑くてバテ気味の胃袋にもするすると入っていきました。

考えてみると、この付近に来るのは、40年以上前のあの日以来だと思います・・。

高校3年生だった私は、大学受験がひと通り終わり、中央大学への入学が決まっていました。
入学金に加えて授業料も振り込み、(記憶が正しければ)1年D組19番というクラス分けと出席番号も知らされていました。

そんな時、横浜国立大学から補欠合格の一報が届きました。

中央大学の入学試験要項を確認すると、授業料支払い後に入学を辞退する場合は、大学の事務に退学届を提出すること、とありました。

そこで向かったのは、中央大学多摩キャンパス。

今は「中央大学明星大学駅」という、大学に直結したモノレールの駅がありますが、当時は高幡不動駅で動物園線に乗り換え、終点(次の駅)の多摩動物公園駅から10分ほど歩きました。
通学路の途中には、「マムシに注意」みたいな看板があった記憶もあります。

キャンパスに着いて事務室を訪ねると、スタッフが忙しいそうにしていて、私になかなか気付いてくれません・・。

そこで、「退学届を出しに来ました!」と声高に言うと、奥から女性スタッフが小走りにやってきました。

「お待たせしてすみません・・」と対応してくださる様子から、退学届という意味の大きさを感じた気がしました。
腫れ物にさわるような感じも少し伝わってきて、気恥ずかしい思いがしました。

一旦は入学を決意した大学ですから、正門を出る時、一礼しました。

「任意の寄付金、300,000円は慌てて払わなくて良かったかも。」
「退学届を出したってことは、中央大学中退、横浜国立大学卒業がゆくゆく私の正しい学歴になるのかな。」

駅に戻りながら、そんなことを考えたのを40年経った今も覚えています。

考えてみると、多摩動物公園駅と高尾山口駅は、さほど近くはないですね・・。
まむし云々の看板はもう見られないでしょうし、残念ながら多摩テックはなくなってしまいましたが、40年ぶりに訪ねてみたい気がします。

205 物見遊山

若い頃、ひとりで行動することが、あまり好きではありませんでした。
しかし、近年「ひとり旅」の楽しさを覚えました。

そもそもひとりで旅に出たきっかけは、気分転換でした。
パソコン持参で東京を脱出し、知らない土地で旅行気分を味わいながら仕事をしたのです。
近年ワーケーションという言葉を耳にしますが、ちょっぴり先取りしてたかな?なんて思ったりします。

元来、根を詰めて、がむしゃらに働き続けてもケロッとしているタチでした。
しかし、50代半ばを過ぎたころから、疲労が抜けづらくなってきました。

そもそも零細企業の経営者は、働き方改革とは対極に位置していますから、オンとオフをきっちり分けることは現実的ではありません。
そこで、場所を変えることで、心身をリフレッシュして仕事をこなしてみようと考えました。

すると、半ば旅行気分であることでいい気晴らしになり、明日の英気を養うことができました。
やるべきことをほったらかし、観光ばかりになってしまうかも・・と心配しましたが、仕事も予想以上に捗りました。

5年前は仙台、4年前は福岡、そして3年前には名古屋を訪れました。
名古屋の熱田神宮を参拝した件は既に紹介しましたが、蒲郡市にある「竹島」は大変印象的でした。

島といっても、船で渡るのではなく、橋を伝って行くことができます。
江ノ島をイメージしていただければ良いかと思います。

橋を渡った先には、八百富神社があります。
公式サイトから、一部抜粋します。

八百富神社は、安徳天皇の養和元年3月18日(1181)の創建と伝えられています。これは、1145年三河国司の三河守となった藤原俊成卿が、在任中に未開だったこの地の開拓に当たられた際、風光明媚で江州竹生島によく似ているこの島に竹生島弁才天を勧請せられたことから始まったとされています。常に清波に島脚を洗われ、自ずと禊ぎ、不浄を近づけないようで、真の霊境との名の通りであり、養和(1181)の頃俊成が当社奉斎の神境に定めました。
「江州竹生島弁財天を勧請した際、雑木林におおわれ竹がなかったこの島に、竹生島の竹を2本根こそぎ持ってきて、ご神体として植えた」との記述もあり、そのことから『竹島』と名付けられたとも伝えられています。

文中の江州竹生島は、琵琶湖の北部に浮かぶ島です。
次なる目的地はここだ、と決めました。

これまで、私にとって滋賀県は、京都へ行く際の通過地点でした。
ミルクボーイの漫才ネタで、「これといった特徴がないのが滋賀の特徴」といじられてもいますね。

しかし、調べてみると、魅力的な観光スポット(私にとってはイコール神社)が数多くありました。
嬉々として計画を立てていたさなか、コロナが襲来し、延期を余儀なくされました。
最近は感染対策に注意しながら社会活動も動かしていく方向に舵を切ってきましたので、そろそろ計画を今一度立て直そうかと考え始めています。

余談ですが、リオデジャネイロ五輪が終了した時点で金メダリストなしの都道府県は、岩手、福島、埼玉、福井、長野、滋賀、京都、鳥取、島根、香川、沖縄の1府10県だったそうです。
しかし、東京2020で彦根市出身の大橋悠依選手が、200m・400m個人メドレーで金メダルを獲得しましたので、県の歴史を塗り替えました。

また、滋賀県は糖尿病患者が一番少ないのだそうです。
毎日飲酒する人の割合は34位、毎日喫煙する人の割合は42位と、糖尿病のリスクを高めるライフスタイルとは距離があるようです。

さらに、総務省の「社会生活基本調査」でスポーツ行動者率(男女別や年齢別などの属性ごとの人口のうち、1年間の間に、スポーツを行った人の割合)をみていくと、滋賀県は全国5位。
これも糖尿病の予防につながっていると推測されますね。

166 夏炉冬扇

今日はトイレについて書き散らします。
ネタがネタだけに、いつにも増して低劣になることを心していただきたく存じます。

近年、公衆トイレに、下図のような「あさがお」が心なしか増えているように思います。
初めて使用した時、便器に近づきやすい構造だなと感じました。

出典:LIXIL公式サイト(https://www.lixil.co.jp/lineup/toilet/hl/sensor_stall_urinal/)

LIXILの公式サイトによると「近寄りやすく使いやすい形状」に設計されているそうです。
設計者の意図を、私はしっかりと汲み取ることができた、という訳です。
そして、こんな説明がついていました。

手元はゆったり、足元はすっきりのアプローチしやすいデザイン。天面はカーブ形状で鉢内を確認でき的外ししにくく、他人からの視線が気になりにくいよう、しっかりストールを配置。

「的外し」。
さすが専門業者。
説明しづらいことを、さりげなくスマートに表現しますね。
なかなか心憎い形容です。

心憎いといえば・・・・、
10年以上前、レストランのトイレで用を足していた際、「あさがお」のすぐ上にこんな貼り紙を見つけました。

Please come close. Your Tomaholk is not so big.

こういうトーンだと素直に協力する気になりますね。

人はダメと言われるとかえって興味を掻きたてられ、逆の行動に走るという心理現象があるそうです(カリギュラ効果)。
浦島太郎は箱を開けてしまったし、鶴の恩返しでは心騒ぎを抑えられず機織り中の娘を覗いてしまいましたね。

この頃の「あさがお」は近づきにくい形状だったため、必然的に掃除が大変だったのでしょうか。
あるいは、心ないお客さんが多いために業を煮やしたのでしょうか。

使用する側は、自宅のトイレと同じ心積もりで用を足さねばいけませんね。

心積もりといえば・・・・、
ここ数年、会社のトイレ掃除を進んで行うようにしています。
ずっと女性社員に任せてきましたが、これではいけないと遅まきながら改心したのです。
自分で掃除をしてみると、その苦労が分かります。
30年以上も汚すだけの立場だったことを、今更ながら心苦しく思っています。

心苦しいといえば・・・・、
私は目黒雅叙園で結婚披露宴を行いました。
ここの1階にあるトイレは、用を足すのが心苦しいと感じるような豪華さです。

工費1億円とも噂されるトイレには、川が流れ、朱塗りの橋が架かっています。
個室のドアも朱塗り。
天井には金箔に包まれた美人画。

日本一きらびやかでゴージャスなトイレではないでしょうか。

披露宴に招いた友人には「必ず1階のトイレに入ってから帰ってね」と伝えました。
ひょっとしたら、皆の心に残ったのは宴よりもトイレだったかも知れません。

心に残るといえば・・・・、
つい先日、偶々、絶景トイレに巡り会いました。

大丸東京店の12階、レストランフロアにある男子トイレです。
トイレの突き当たりには「あさがお」が2つあります。
ここに立つと、東京駅丸の内側が見渡せる大パノラマが目の前に広がります。

丸ビル、新丸ビルが聳える手前には、東京駅のホームも見えます。
心なしか、ホーム上で電車待ちをしている人に向かって放★しているような感覚に陥ります。

ただし、くれぐれも周囲を汚さぬよう心を配りながら、景色を楽しむ心持ちが大切かと思います。

147 三拝九拝

私は、学会や研究会関連の仕事に携わることがよくあります。
しかし、これまで学会に参加したことはありませんでしたが、先週末、初めてその機会に恵まれました。

静岡県立大学で開催された、第8回日本在宅看護学会学術集会に参加させていただいたのです。
しかも、お邪魔させて欲しい、と申し出たところ、副理事長先生のご配慮により、ご招待(参加費免除)の扱いにしていただきました。
それでは、現地の先生方に差し入れをご用意いたします、とお約束しました。

というのも、準備期間中、静岡県立大学のご担当の先生が、2度にわたって、静岡名物のお菓子を宅配便の荷物に同梱してくださったのです。
そこで、今度は私が東京土産をお返ししよう、と思ったわけです。

購入したのは、CAFE OHZANの「クロワッサンラスク」。
今、一番人気といえば「N.Y.C.SAND」かと思ったのですが、金曜日夕方、待ち時間が1時間半以上でしたので、諦めました。
「ここが最後列」と書かれた看板には「お一人様10万円までにお願いします」とのメッセージもありました。
異常な人気に乗じて、横流しにする輩がいるのではないでしょうかね。

さて、当日は、気温こそ少し低めでしたが、朝から晴天となりました。
せっかく静岡まで行くのですから、少し早めに出発し、静岡天満宮と静岡縣護国神社を参拝しました。
好天に誘われ、駿府城公園も散策しました。
下は駿府城公園内の紅葉山庭園です。

引き出し状の大きな箱に入ったクロワッサンラスクを抱えつつ、楽しい時間を過ごすことができました。

さて、肝心の学会では、その大きなお菓子の箱を、静岡県立大学の先生に直接お渡しすることができましたし、10名近くの先生に、日頃の感謝をお伝えすることができました。

また、昨年私がご迷惑をお掛けした山梨県立大学の先生にも、お詫び申し上げることができました。
1年遅れになってしまいましたが、胸のつかえが取れた感じがしました。

ただ、数名お目に掛かれなかった先生がいらっしゃいます。
次回は、新宿での開催が決まっていますから、来年の課題にしたいと思います。

145 秀色神采

今月に入り、有難いことに忙しい日々が続いています。
私の忙しさのバロメーターは、ランチのサンドイッチ率です。

多忙になるとお昼をゆっくり食べる時間が惜しくなり、サンドイッチを買って、車を運転しながら食べることが増えてしまいます。
最近のサンドイッチ率は、50〜60%という感じでしょうか。

運転しながらの食事は誉められたことではありませんし、ましてや50歳も半ばを過ぎましたので、若い頃のように無理がきかなくなってきました。
仕事をこなすことと、カラダをいたわることのバランスも考えなければなりません。

そこで、この週末、1日だけ東京から逃亡することにしました。

向かったのは京都です。
観光客で溢れかえる紅葉のシーズンですから、移動を極力なくし、嵐山・嵯峨野地区だけを巡りました。

まず訪れたのは、渡月橋です。
7:30前には到着しましたが、既に三脚を構えた人や女子グループらもいて、ガラガラではありませんでした。

お世辞にも紅葉真っ盛りとは言えない風景でしたが、タクシーの運転手さんによると、桜の木が異常気象でダメージを受け、美しさを半減させているのだとか。
川沿いに妙な曲がり方をした街灯がありましたが、これも台風の仕業だと教えてくれました。

残念ながら、今年は例年のような美しさは望めないかも知れませんね。

そのあと参拝した常寂光寺や二尊院、天龍寺塔頭の宝厳院などでは、非常に美しい景色を楽しむことができました。
撮影スポットは当然黒山の人だかりなので、思うような写真を撮ることはできませんでしたが・・。

宝厳院

御朱印もたくさんいただくことができました。

多くの参拝者に対応するため、書き置きのところも多かった中、厭離庵でこんな御朱印をいただきました。
しかも、目の前で書いてくださいました。

パンフレットによると、ここは「藤原定家が小倉百人一首を編纂した処」とあります。
定家が詠んだ歌なのかと思いますが、詳細は調べてみないといけません・・。

 

混み合うのは覚悟のうえでしたが、予想通り、いや予想以上の尋常ではない混雑ぶりでしたし、弾丸ツアーではありましたが、明日の英気を養うことができました。
残りの週末、仕事に励みたいと思います。

ところで、嵯峨野散策の途中、御髪神社(みかみじんじゃ)も参拝しました。
ここは、日本で唯一の「髪」の神社です。

10円玉が目立つお賽銭のなかへ、友人の分も合わせて100円玉を2枚納めてきました。
自慢げに仲間にLINEを送ったところ、
「自分の薄毛の状況を考えたら、もっと奮発すべきじゃないの」
と叱られました。

危機感がやや足りませんかね・・。

135 土扶成牆

昨年、菊の花が薫る時期に、水戸周辺の神社を訪れました。
ゴルフ以外で、しかも電車で水戸へ行くのは初めてでしたので、新鮮な愉しみがたくさんありました。

茨城県護國神社や水戸八幡宮などを参拝し、最後に立ち寄ったのは、水戸駅から徒歩圏内にある水戸東照宮でした。
流石は東照宮。天井も柱も扉も、カラフルで豪華絢爛でした。

感動しながら参拝を終えると、菊の花に囲まれた社殿入口の右側に、看板を見つけました。
どうやら東日本大震災で倒壊してしまった鳥居の再建に関する、寄付のお願いでした。

倒壊した現場は、このとおり・・。
亀腹のすぐ上で、柱は無残に折損していました。

この看板を見たのも、何かの縁。
御朱印をいただく際に、神職の方にお話しを伺うと、口数や最低額などの決まりはなく、善意にお任せしているとのこと・・。

早速財布の中身を確認すると、一万円札が3枚と千円札が3枚・・。
よし!帰りの特急電車を各駅停車に変更し、この千円札3枚を役立てていただこうと決めました。
一万円札3枚は・・、ちょっとムリでした・・。

寄付の申し出をすると、宮司様から身に余る感謝の言葉をいただきました。
完成の折りには案内状をお送りいただける、とのことでした。

そして、半年が経ち、先日、完成を知らせる郵便が届きました。
4月17日に、鳥居が再建されたそうです。

えっ、4月17日?
仏滅なのに?

と思ったら、4月17日は家康公の命日で、その例大祭にあわせてお披露目されたとのことです。
全く無知でお恥ずかしい・・。

送っていただいた写真には、青空の下、白木の明神鳥居が神々しい姿で聳えていました。
あるべきところに鳥居が戻り、嬉しく思います。
地元の方も、さぞ喜ばれていることでしょう。

ところで、茨城県一宮・鹿島神宮の大鳥居も、震災で倒壊した一つですが、既に新しい鳥居が造立されたそうです。

下の写真が、平成26年6月1日に竣工された新しい鳥居です(平成30年2月撮影)。

東日本大震災によって被害を受けた神社は、1都15県、約4,800社に及ぶそうです。
そんな中、スサノオノミコトを祀っている神社は、被害が少なかったという論文が発表されています。
ちょっとミステリアスな香りがしますね。
興味のある方は、以下をご覧ください。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejsp/68/2/68_I_167/_pdf

132 輭紅塵中

なんこうじんちゅう。
華やかで賑やかな都会の様子、という意味です。
世代的には、木綿のハンカチーフの世界観を思い出してしまいます。

私の両親は静岡県と千葉県の出身ですが、私は東京生まれ東京育ち。
これまで、東京23区以外に住居を構えたことはありません。

老後は田舎暮らし・・。
そんな夢を抱いている中高年層は、結構多いのではないでしょうか。
しかし、スーパーやコンビニ、駅、病院などが遠い生活は、私には無理かなと思います。

「仕事用のスーツを買う店が山梨にはないんですよ・・・・。」

以前、甲府に転勤になった後輩が、そう言っていました。
もちろん、紳士服店が全くないはずはありませんので、お気に入りの店がなかった、ということなのでしょう。
いずれにしても、スーツを購入するのは上京したとき、と決めていたそうです。

百貨店がないという状況も、私には差し障りがあります。
ワタクシ、結構デパート好きな中年です。
ひとりでも、カミさんと一緒でも、普通に行きます。
高価なものには縁がありませんが、紳士モノだけではなく、女性向けのフロアもへっちゃらです。
男としては、珍しい部類だと自覚しています。

東京ガーデンテラス紀尾井町

写真は、東京ガーデンテラス紀尾井町から空を見上げて撮影したのものです。

ちょっと電車に乗ればこんな景色がある。
週末には、カフェで読書ができる。

そんな場所に住み続けたいと思っています。

そして、近年、益々都会の中心部に住みたいと思うようになってきました。
今後、年を重ねても変わらないと思っているのですが・・。

126 絢爛豪華

今日、迎賓館へ行ってきました。
当然ですが政府からお招きをいただいた訳ではなく、天気予報が良かったので、カメラ片手にぶらりと出掛けてきた次第です。

正しい名称は「迎賓館赤坂離宮」というのだそうです。
周囲を車で通ったことは数知れずありますが、正面の瀟洒な門構えをじっくり見た記憶もないですし、ましてや、中に入ったことなどありませんでした。

まずは、早朝、人の少ない時間帯に正門を撮影しました。
警備する警官の姿もなく、静かで、厳かな冬の朝が撮れました。

公式サイトによると、正門から入ったところの前庭を見学するのは自由ですが、本館や主庭、および和風別館を見学したい場合は事前予約が必要だそうです。

迎賓館赤坂離宮では、外国からの賓客の接遇に支障のない範囲で一般公開を行っています。
急遽接遇を行う場合には、予定されていた一般公開が中止になることがありますので、御面倒でもお出かけ前に必ず下記公開状況を御確認下さい。Twitterでもお知らせいたします。
一般公開は、下記申込みページからの事前予約によるほか、事前予約なしで当日お越しの方も御参観いただけます(混雑時は、事前予約をされた方の受付が優先されます)。

早朝撮影のあと、四谷駅前のカフェで仕事に傾注し、開門時間の10時少し前に、もう一度戻ってみました。
「当日お越しの方も御参観いただけます」の一文に賭けてみたのです。

すると、予約なしでも見学が出来るとのアナウンスがあり、見学希望者は西門に案内されていました。
私もその流れに付いて行き、入口に到着すると、早くも100人以上の列が出来ていました。
そのほとんどが、予約をしていない人たち。
「今日は良い天気だから迎賓館でも見に行こうか」という都内在住者が多いのでしょうね。
私もそのひとりです。

列に並んで持ち物検査やペットボトル・水筒のチェックなどを受け、入場券(1,000円)を買うまでに10分ほど要したでしょうか。
ようやく、本館の中に入ることができました。

そこは・・、
案にたがわず・・、
日本にいることを忘れてしまうような世界でした!
家具、シャンデリア、天井、壁、鏡・・、その全てが、圧巻でした!!

廊下や階段の壁は白。
そして、その壁はどこまでも真っ白で、汚れや剥げは一切見当たりませんでした。
撮影は固く禁止されていますので、画像で紹介することが出来ず、残念です。

花鳥の間には、先月来日したトランプ大統領夫妻との晩餐会の写真が、掲示されていました。
なるほど、ここで一席設けられたのか・・と思うと、その場所にいることが、ちょっと不思議に感じました。
個人的には、天井の大絵画と高さ3メートルのシャンデリアが印象的な「羽衣の間」が最も感動的でした。

本館の見学を終え、主庭へ向かいました。
青空と白い本館が、見事なコントラストでした。
噴水越しの写真はネットでも頻繁に見ることができますので、ちょっと斜めから撮影した写真を掲載します。

早朝の撮影時は寒かったものの、徐々に気温が上がり、この写真を撮った頃には麗らかで心地よい陽気になっていましたので、見学者の数もぐんぐん増えているようでした。

なお、迎賓館は、特別開館を行っているのだそうです。
再度、公式サイトをご紹介します。

迎賓館赤坂離宮は、これまでは、来日した各国の賓客を接遇(おもてなし)する施設として、内閣総理大臣や衆参両議院の長など限られた国の機関しか利用できませんでした。 しかしながら、平成28年度より、国有財産を有効活用する観点から、接遇がないときに、下記1の要件を満たす民間企業や民間団体等も下記2の要件の満たす行事を行う場合には、原則として有償により、「特別開館」という仕組みで迎賓館を利用できるようになりました。

即ち、一定の条件を満たせば、一般人でも使用できるのです。

しかし、よくよく確認してみると、「下記1・2の要件」というのが非常に厳格で、私のような下々には全く縁がなさそうです。

ただ、民間の利用を許可した点は、評価したいと思います。
「有償」が果たしていかほどなのかも、興味がありますね。