私の義母は満80歳になります。
若い頃から、風邪もほとんど引かない、元気印の老媼です。
具合が悪くてダラダラしている姿が嫌いで(これを本人は「クタクタしている」と表現します)、風邪気味で声が嗄れていても風邪なんか引いていない!と言い張り、肩こり、不眠症、便秘、冷え性などにも縁が無く、概ね元気に齢を重ねてきました。
しかし、ここ数年、医者通いを強いられています。
糖尿病の疑いで近所の医院へ行った際、「私は内科医になって☆☆年が経つけれど、こんな酷い血糖値は見たことがない!」と医師から叱られました。
また、ここ数年は血圧が高く、降圧剤を処方されています。
そして、ヘモグロビン値が低いので、めまいの検査を受けるようにと紹介された大学病院では、「この数値で、本当に自覚症状はないの?」と言われたそうです。
この病院へはその後も定期的に通院していますが、先日、予定の時間になってもなかなか帰宅しませんでした。
あとで話を聞くと、検査結果が更に悪化していたため、急遽輸血をすることになって時間を要したとのこと・・。
そこで、義母に携帯電話を持ってもらうことにしました。
そもそも、近くへ買い物に行ったきり長時間帰宅しないこともしばしばなので、今後は周囲の心配は軽減されそうです。
ピンク色のらくらくホンをプレゼントし、基本的な発信と着信方法だけをご教示しました。
そんな義母の最大の趣味は「食べること」。
そして、特徴は「ややずぼらなところ」。
糖尿病などどこ吹く風で、食べたいものを食べ、間食も楽しみ、一方、食事前のインスリン注射を怠ったり、薬の服用がちらほら抜けたり・・。
緊張感はさほど感じません。
ただ、そんな若干いい加減なところが、元気の秘訣なのかも知れません。
検査結果に一喜一憂したり、病気のことが始終頭から離れないよりも、少しあっけらかんとした思考が、ほどよく元気を保っているように思います。
コロナのために、会食をずっと控えてきましたが、先日、久しぶりに食事に誘いました。
義母の大好きなホテルのビュッフェ、とはいきませんでしたが、家の近所の和食屋でランチコースをいただました。
デザートを食べてそろそろお開き、というタイミングで、私たち夫婦の結婚25周年へのお祝いをいただくサプライズがありました。
そう、銀婚式です。
義母の傘寿のお祝いもできずにいたなか、逆にお祝いをいただきとても恐縮しました。
1995年11月5日、日曜日、先負。
目黒雅叙園で挙式を行ったあの日から早25年。
私は当時の父の年齢を超え、カミさんは母の年齢を超えました。
披露宴に出席していただいた方で、その後、鬼籍に入った方が少なからずいらっしゃいます。
特に、先日長姉が亡くなったことで、父はすべての兄弟を失いました。
母方も、体調の優れない弟が1人残るのみです。
時の流れの儚さを、しみじみと感じます。
家族元気で仲良く過ごしていることが最大の親孝行だ、と母は言います。
25年の間には、私が入退院を繰り返した時期や、カミさんのメンタルが不安定な時期がありましたが、セガレも含め、元気に日々生活が送れている今を、有難く思います。
コロナ禍にあって、健康の大切さを改めて考えさせられています。