247 名題看板

中学3年生だったある日の夜、話があるから座れ、と父に言われました。
姉と2人、何が始まるのかと思っていると、会社を辞め、自分で商売を始めると聞かされました。

じゃ、オヤジが社長になるわけね。で会社名は決めたの?

私は無邪気な質問を投げかけました。

ああ、決めた。「大伊豆印刷(おおいずいんさつ)」。

自分の出身地に「大」を付けるという昭和的且つ著しく安直な発想に、ほかの候補も考えた方がいい、と姉と一緒に物言いをつけました。
その意見を父も受け止めてくれて、その後、紆余曲折の末に現在の社名になりました。

さて、名称を公募で決めるということはよくありますね。
「ネーミング 公募」で検索すると、駅名、マスコットキャラクター、動物の赤ちゃんなど、日々、様々な募集が行われています。

名称の公募で有名なのは、東京タワーではないでしょうか。
昭和33年に行われた公募には8万通を越す応募が寄せられ、20位までは以下のような結果でした(カッコ内は投票数)。

1位:昭和塔(1,832)、
2位:日本塔(1,328)、
3位:平和塔(1,054)
4位:富士塔(666)
5位:世紀の塔(646)
6位:富士見塔(615)
7位:エターナルタワー(420)
8位:日本電波塔(373)
9位:東京塔(345)
10位:マンモス塔(307)
11位:宇宙塔(281)
12位:エンゼルタワー(274)
13位:東京タワー(223)
14位:日の丸塔(219)
15位:きりん塔(206)
16位:ゴールデンタワー(193)
17位:希望塔(158)
18位:文化塔(152)
19位:オリエンタルタワー(135)
20位:プリンス塔(126)

東京タワーは223票で13位でしたが、審査会委員長・徳川夢声氏の推挙により決まったそうです(「きりん塔」を推さなくて良かったなと思ったりもします笑)。
委員長の鶴の一声で決まったのか? という疑問も残る反面、最多得票の名称をそのまま採用しなかったことは、ある種、評価に値すると思います。

一方、東京スカイツリーは、全国投票の結果、投票数が最も多かったものを新タワーの名称として採用しました。
因みに、2位以下は以下の通りでした。

2位:東京EDOタワー
3位:ライジングタワー
4位:みらいタワー
5位:ゆめみやぐら

話は変わりますが、2024年の漢字は「金」でした。
「今年の漢字」は、一般公募の中の最多得票が選ばれる仕組みです。
パリオリンピックでの金メダル、佐渡金山の世界遺産登録、自由民主党国会議員などによる裏金問題、金目当ての闇バイト、新紙幣の発行等々・・、妥当と言えば妥当です。

しかし、「金」が選ばれたのはこれで5回目。
3回ほど選ばれたら「殿堂入り」といったルールがあってもいい気がします。

2位以下にはどんな漢字があったのか調べてみると、3位に「翔」が入っていました。
個人的にはこれが良かったなと思います。

悲しい災害や事故、事件から目を逸らすことはできませんが、明るい方を向いた選択もありかなと思うのです。

さて、2025年は一体どんな漢字が選ばれるのでしょうか。

お米の価格が高騰している、米国・トランプ大統領が関税などで世間を揺るがしていることから「米」も候補の1つかも知れません。

私は「博」になればいいな、と思っています。
大阪万博も大きな理由の1つですが、秋には複数の日本人「博士」がノーベル賞を受賞し、ウクライナに平和が訪れて「博愛」・・。
そんな世の中になることを祈りたいと思います。

でも、オンラインカジノ絡みの「賭博」が選出理由になってはいけませんね。

(補足)
「大伊豆」に関連する称号に、疑義を唱える意図はありません。

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