15 隔世之感

私の通っていた大学は、横浜市保土ヶ谷区にありました。
横浜って一般的には都会的でおしゃれな街、というイメージが強いと思います。
山下公園や中華街、みなとみらいなどが象徴的ですね。

ところが我が大学のあるエリアは、おしゃれ感とは隔たりがありました。
大学ホームページのアクセスを見ても、横浜駅からの電車+徒歩でのご案内として、
★横浜市営地下鉄三ツ沢上町から正門まで徒歩16分
★相鉄線和田町駅から南門まで徒歩20分
と紹介されています。

因みに私が在籍していた頃、地下鉄はまだ開通していませんでした。
従って、文京区の自宅から通学していた私は、和田町駅から20分歩きました。
しかも、この20分が、平坦な道ではないのです。
言ってみれば山歩きみたいな行程なのです。

この山越えが苦痛になり、まもなくバス通学に変えました。
横浜駅から相鉄バスに乗り、国道一号線沿いの岡沢町という停留所で降ります。
経営学部の校舎まではそこから徒歩5分ほどです。
しかし、道路の渋滞が時間通りにバスを走らせてはくれません。

そして、もうひとつ「敵」がいました。
岡沢町というバス停の前に、「岡沢ボウル」というボウリング場がありました。
バス停で降りても学校には行かずボウリング場へ、なんてことが日常茶飯事でした。

この岡沢ボウルには、当時の仲間と足繁く通いました。
所属プロの山本由美子さんをはじめ、フロントの方とも親しくなり、常連の皆さんからも可愛がっていただきました。
マイボウル、マイシューズを購入し、トーナメントにも頻繁に参加しました。
トーナメントへの参加率は、大学のゼミへの出席率を確実に上回っていたと思います。

なお、余談ですが、残念ながら岡沢ボウルは平成17年5月に閉鎖されてしまいました。

 

卒業して30年。先日久々に家族でボウリング場に行きました。
そこで見たのは、私が知っているボウリングとは様変わりしていました。

とにかく驚いたのは、ボウリング独特のマナーが消滅していたことです。
それは、「隣のレーンの人と同時投球をしない」というマナーです。

ボウリングのレーンは隣との距離が狭いため、同時に投球すると危険が伴います。
また、集中力を妨げることにもなりますので、一般的に右側の人が優先とされています。

しかし、この日見たボウリングには、「同時投球」という概念がありませんでした。
隣の人には目もくれず、ピンめがけてひたすら投げる若者たちで溢れていました。

思うに、若い人達はマナーを守っていないのではなく、知らないのではないでしょうか。
一方で、ボウリング場側は「楽しく遊ぶために、最低限のルールを守りましょう」とあまねく知らせる努力を怠っているのではないかと感じました。
このままでは、ボウリングのマナーやルールは消滅する危機に瀕している、と言っても過言ではないと思います。

異次元を感じたのはそれだけではありません。
というのも、私が投げようとしたとき、突然、館内の照明が消えたのです。
何が始まるのか分からず呆然としていると、この後の投球でストライクが出るとご褒美がいただける、というイベントであることを知りました。

以前、各レーンに1本だけ赤いピンが含まれていて、そのピンがヘッドピンにきたとき、ストライクを出すと景品がいただけるという企画に遭遇した記憶があります。

しかし、今回はボウリング場が一体となって行われていました。
照明が消えたあとには、DJのごとき館内放送が流れて、イベント開催が告げられ、スタートの合図とともに、隣のことなど我関せず、一斉に投球をはじめるのでした。

そう・・、週末のボウリング場で見た光景は、スポーツというよりもゲームでした。
裏を返せば、若者層を取り込むために、ボウリング場も色々趣向を凝らしているのでしょう。
私は間違いなく浦島太郎でした・・。

因みに、私は薄暗い中、ストライクを一度出すことができました。
ちょっとした記念品と、ポラロイドで家族写真を撮っていただきました。
時代の趨勢なんだなあと、アンビバレントな心情に浸った休日でした。

補足:ボウリングのマナーの一部を下に記します。常識だったんだけどなあ・・。
☆投球の際にファールラインを越えない
☆ロフトボウルをしない(ボールをドスンと投げない)
☆アプローチで飲食をしない
☆投げ終わったらアプローチから速やかに降りる
☆靴下は必ず履く

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