魯魚亥豕(ろぎょがいし)。
字形が似ていて、書き誤りやすい文字のことを指します。
私の名前は「雅己」と書きますが、この「己」は少ない画数の割に、厄介な漢字です。
「己」「已」「巳」と似た字が3つあります。
三画目の書き始めが上だったり下だったり、挙げ句に真ん中もあるので面倒なのです。
因みにこの3つの漢字の読み方は、各々以下の通りです。(出典:http://kanji.jitenon.jp/)
己→(音読み)こ、き(訓読み)おのれ、つちのと
已→(音読み)い (訓読み)すで(に)、や(む)、のみ、はなは(だ)
巳→(音読み)し (訓読み)み
昔の人はこれらを区別して覚える工夫をしていたようです。
上記の読み方を念頭に置き、下の文を解釈してみて下さい。
こきの声、おのれつちのと下につき、いすでは半ば、しみは皆つく
おのれは下に、みは上に、すでに・やむ・のみ中ほどにつく
先人たちはすこぶる風流ですね。
こうしてみると「み」と読ませるためには「巳」と書くべきなのかも知れません。
ひらがなの「こ」は、「己」の草書体だそうですし・・。
ただ、私と同じパターンも結構見受けられます。
元読売ジャイアンツの投手・槙原寛己さんは「ひろみ」。
タレントの松本伊代さんのご主人・ヒロミさんの本名は小園浩己と書いて「ひろみ」。
元・光GENJIの諸星和己さんは「かずみ」。
何故、こうしたことが起こったのでしょうか?
「己」は常用漢字ですが、「巳」は常用漢字でないことが要因なのでしょうか?
ネットには面白い意見もありました(投稿者不明)。
「己」には「自分」という意味があります。
「自ら」の語源は「身・づ・から」で、「実践躬行」の「躬」も「み」と読みます。
つまり「己」は「自分自身」という意味で「み」と読めるのです。
ん・・、結局、理論的に説明はできません・・。
なお、私の父は克已(かつみ)といいます。
ちょっとあり得ない気もするのですが「已」です。
聞いたところでは、戸籍と住民票と保険証の字が全部異なっていたそうで、戸籍に記載されている漢字が正しいとの原則に則り、「已」に統一したとか。
昔は全て手書きでしょうから、この類いの混乱は珍しくないと思います。
こんなにややこしい漢字ですから、私も、日常的に間違いに遭遇します。
「雅巳」と書かれることには、かなり慣れました。
しかし、友人の一人が、毎年年賀状の宛名を「雅美」と印字してきます。
それから以前、ゴルフコンペの出走表に「雅光」と書かれたことがあります。
この2件は、「巳」とか「已」とかの問題ではないですからね。
特に小学校の友人のN君。
長い付き合いなんだから、いい加減「雅美」は直して欲しいですね(笑)。