124 一挙両得

弊社は、社員全員にインフルエンザの予防接種をするよう伝えています。
少ない人数ですから、費用は会社が負担しています。

今年は、ワクチンが不足しているというニュースをよく耳にします。
6月にワクチン製造につかうウイルス株を変更したため、生産が遅れているからだそうです。

先日、大学病院で長くお世話になった先生が開業されたと知り、ご挨拶旁々お電話したところ、運良く在庫があり、私はすぐに接種していただくことができました。

ところで・・、
インフルエンザの時期になると、思い出すことがあります。

30代のころ、小学校からの親友が「おたふく風邪」で入院騒ぎになりました。
仲間とふたりで見舞いにいくと、既に回復に向かっていたものの、一時はかなり深刻な症状だったそうです。

「39度の高熱が出てさ、アソコが3倍くらいに腫れちゃってさ。まいったよ。」

アソコが3倍ってどんなんだよ!と、不謹慎にも友人と大笑いしつつ、大人が罹患すると重症化するのは間違いなさそうなので、その日のうちに母親に確認してみました。

「あ〜、ごめんね〜。ハシカとミズボーソーは間違いなくやったけど、オタフクだけ覚えてないのよ。」

それから10年以上が経ち、セガレが幼稚園に通っていたある冬。
複数の園児がおたふく風邪に罹ったと連絡がありました。
母親から心許ない情報をもらっていたので、まずは予防接種だ、と近くのクリニックへ行きました。

担当してくれたのは40歳前後のハキハキした男性医師。
やや話し好きな医師は、たわいもない話を私に投げかけ、中年男2人の診察室は、和気藹々とした雰囲気でした。
「じゃあ利き手じゃない方の左腕に注射しますね。」
カミさんが事前に予約してくれたので、すべてスムーズに進みました。

「空き箱、持って帰られますか?」

服装を整えていた私に、医師は意外なことを言いました。

アンプルの入っていた箱?
要らないよなあ、普通・・、と思いつつ、

「有難うございます。記念に持って帰ります。」

愛想笑いしながら空き箱を受け取り、診察室から出ようとすると「インフルエンザ」という文字が目に入りました。

「あの〜、先生、ワタシ、おたふく風邪の件で来たのですが・・。」

「あっ・・」

あれ?今「あっ」って言った気がするなあ・・、と思っていると、先生は慌てて部屋の奥へ行き、小走りで戻ってきました。

「あの、山田さんですよね、あの、ごめんなさい、あの、インフルエンザの予防接種をしてしまいました。朝からインフルの患者さんばかりだったので・・、えーと、あります。おたふく風邪は生ワクチンなので、冷蔵庫でちゃんと・・。えーと、ご予約いただいてますからね、お名前もちゃんと・・。」

完全にしどろもどろでした。

「すぐ射ちますから・・、ゴメンなさい・・。」

「いっぺんに2つもですか?大丈夫なんですか?」

「それは大丈夫です。問題ありません。アメリカでは、同時に接種するのが通常ですから。」

いやいや、オレ、バリバリの日本人なんだけどなあ、いやだなあと思う間も無く、右腕に注射針が刺されました。
結局、左腕にインフルエンザ、右腕におたふく風邪と、両腕に予防接種を受ける不測の事態となりました。

最後に、会計窓口での支払いの際、やや年配の女性スタッフがやや控えめの笑顔を浮かべながらこう言いました。

「インフルエンザの方は、サービスさせていただきます(^^)」

得をした、と喜ぶべき出来事なのでしょうか・・。

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