160 繁絃急管

先日、ギターを購入するため、楽器屋を訪ねました。
若い頃、姉のギターを借りて、趣味で弾いていたのですが、かれこれ30年程遠ざかっています。
実力は既に初心者同然のはず。
一番安いので十分と思っていたところ、店員さんに勧められたのは55,000円のギター。

予算オーバーだと伝えたのですが、「安いギターは、弾きにくいですよ・・」と店員さん。
でもなあ、55,000円は高いなあ、と悩んでいると、

「となりのは、お値段の割には握りやすいですよ・・。」

即決しました。
「練習してから、MARTINかFENDERを買いにきますね〜」と間に合わせの発言を残し、売り場を後にしました。

ギターが弾きたくなったのは、今から10年ほど前。
セガレがピアノ教室に通い始めた頃です。

ピアノに全く縁のない両親から生まれた割りには、そこそこ実力をつけてきた様子を見て、セガレのピアノ演奏と一緒にギターを弾いたら楽しいだろうな、と思うようになりました。
そして、58歳目前、購入を決断しました。

自宅に持ち帰り、胸躍らせながら弾いてみると・・、

指が!

全く!

言うことを聞きましぇん!!!

「C」ですら、どういう訳か、一弦に触れてしまい、キレイな音が出ない始末です。
これは流石にショックでしたが、少し弾いているうちに、徐々にコツを掴み始めました。

その後、嫌がるセガレを説得し、一緒に弾く曲の楽譜を探すため、防音室に行きました。
B♭やCmなど、セーハがまだうまく握れない現状では、ローポジションコードが多いハ長調の曲が精一杯です。

そして、最初に見つけたのは、福山雅治の「生きてる生きてく」。

♫『不思議なものだ、子どもの頃は、大人になんてなれないのに…。』

調子よく弾き語りしていたら、最後は転調して、セーハだらけ。
速やかに断念し、また、楽譜を探しました。

ありました!
スコット・ジョプリン作曲の「The Entertainer」です。

ピアノの練習曲として大変有名な曲で、セガレも小学校低学年の時に弾いていました。
アカデミー賞を受賞した映画「スティング」のテーマ曲にもなった曲です。

セガレはひょいひょい弾いていましたが、こちらは三重苦。
①指が全然動かない
②左指の腹が切れそうに痛い
③老眼で楽譜の文字が見えない

若い頃との違いを痛感しつつも、楽しい時間となりました。

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